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le temps des cerises - Le Clafoutis limousin

マドレーヌについてはもう少し書きたいこともあるのですが、
ちょっとひと休みして6月が旬のサクランボについて取り上げたいと思います(もう6月も終りではありますが…)。

b0189215_2372297.jpgサクランボの品種は全世界に1350種以上。
フランスには200種程あるそうですが、実際に流通しているのはその中のごく一部に過ぎません。
生産国第一位は意外(?)にもアメリカを押さえてトルコ!

野生種は紀元前から既に食べられており、
シャルルマーニュ(カール大帝)は国内に野生種ではない改良選抜品種を植えるように命じたといい、中世にはフランスで本格的な流通の為に改良品種の栽培が広まり、更に18世紀にはサクランボ好きだったルイ15世が栽培と品種改良を推奨したといいます。

フランスで栽培されているものは大きく2つ、
cerises douces(Prunus avium);スイートチェリー、
cerises acides (Prunus cerasus);サワーチェリー に分けられます。

更に前者は野生種であるmeriseの他、guigne(甘みと香りが強い。Fougerollesではこれをキルシュに加工)とbigarreau(生食用)タイプに分けられ、後者にはamarellegriottesがあり、これらは甘みが少なく主としてコンフィやコンフィチュール等の加工用にされます(cerise de Montmorencyはここに含まれる)。


b0189215_2314270.jpgこのサクランボを使ったお菓子で最も簡単でポピュラーなのは何といってもClafoutis;クラフティでしょう。
季節のフルーツを使って家庭でも気軽に作られる
デザートですが元々は地元で採れるcerises noires;黒サクランボを使ったリムーザン地方のお菓子。
この辺りでは今でもクラフティと言えばサクランボが入ったものを指し、他の果物を入れたものはflognardeと呼んで区別されます。

→Limogesのパン屋さんで買ったクラフティ

b0189215_23224257.jpgClafoutisの語源は、この地方で話されていたoccitan;オック語のpatois;俚言(方言)の「Clafir或いはClaufir(ラテン語 clavo figere ;釘で固定する、からの派生語)」という語に由来すると言われており、
これにはフランス語でremplir,garnir「一杯詰める、入れる」という意味もあって、これに由来した語です。
卵、砂糖、小麦粉、牛乳で作られたクレープ生地にサクランボを沢山入れるのがポイントで、味の深みが増し風味が良くなるということから種付きのまま焼き込むのが本来の姿です。
(サクランボ同士がくっついていたり、生地で完全に覆い隠すのは×)
                                              ↑上のクラフティの断面

b0189215_23445421.jpgサクランボは小粒で種が小さいもの、ジューシーで十分に酸味のある地元の黒サクランボの古い品種が適しているそうで、リムーザン地方の3県の中で最も生産量の多かったCorrèze県で採れる「la Franche Noire」はまさにクラフティ用の品種だといいます。
今では地元の古い品種も一般的な品種へと植え替えられ、市場では見られなくなりました。
それでもCorrèze県にある知り合いの実家にはまだその古い品種のサクランボの木が残っていると聞きます。
このサクランボで作ったクラフティ、いつか味わってみたいものです!
↑Saint Yrieix la Percheのお菓子屋さんのクラフティ


b0189215_2330131.jpgサクランボの季節にリモージュへ行った際、お菓子屋さんではなく
Les Halles;屋内市場やパン屋さんで販売していました。
またビストロ等でデザートとしても出されています。

→St Léonard de Noblatのビストロで出されたデザート
Clafoutis はLimousin地方と隣接するPoitou地方のあたりが起源であるとされていますが、
具体的にいつ、どの辺りで作られるようになったのかは調べてもよくわかりませんでした。

b0189215_005179.jpgクレープ生地状のものを果物入り、果物無しで焼いた、クラフティに類似したお菓子は各地に存在しています。
Auvergne地方のmilliardやgargouillau、Centre地方のmillat(Levrouxのスペシャリテ)やgoère、Bourgogne地方のtartouillatやcacou(Paray le Monialのスペシャリテ)、またPérigordやQuercy地方には何も入れないシンプルなcajasse等々。

←Bourgogne地方の「Cacou」

このように似たお菓子は他にもあるというのに、
なぜクラフティだけが全国区へと広まり、現在の地位を得ることが出来たのでしょう?
クラフティという可愛らしい名前のお陰なのでしょうか。
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by Ethno-PATISSERIE | 2009-06-27 14:09 | ⑭Limousin | Trackback | Comments(2)
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Commented by M at 2013-03-25 21:03 x
フランスのサクランボって美味しいですよね。
サクランボの本場でクラフティ、食べたいです。
マルシェで必ず、サクランボを買って食べますよ。
フランスにサクランボが200種類もあるんですね。
フランスへは、いつも6月か9月に行ってます。
その頃は、果物やフロマージュが沢山、旬を迎えるので!
Commented by Ethno-PATISSERIE at 2013-03-26 23:38
Mさん フランスのサクランボ大好きです。「本物」のクラフティ、食べに行きたいですね^^
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