St Yrieix La Perche ;サン・ティリエ・ラ・ペルシュ のマドレーヌ
2009年 08月 12日
町の起源は5千年以上前、ブルターニュと地中海を繋ぐ「金属の道」があったガリア時代に遡り、この地の豊かな鉱物資源、錫・鉛・銀・金がこの道を通って各地に運ばれていた他、水資源・木材等にも恵まれていた為に自然と人が集まり、古くから栄えていた町です。
1768年、硬質磁器を作るために重要なカオリンが発見された町でもあり、それによりSèvres;セーブルにあった王室陶器製造所においてフランス最初の硬質磁器製造に成功しました。
↑ 立派なHôtel de Ville;市役所
マドレーヌがこの町のスペシャリテであることを知ったのは
初めてリモージュを訪れた2000年のこと。
この地方の特産物を扱う店で見つけたのがきっかけでした。
中世の時代サン・ティリエはスペインのサンチャゴ・デ・コンポステラへの巡礼路上重要な休憩地であり、帆立貝が巡礼者の印であったことから「マドレーヌという名前の娘が帆立貝の殻で焼いたお菓子を巡礼者たちに配っていた」と言う逸話もありますが「19世紀中頃にコメルシーから来た、あるコンパニヨン・パティシエによって作られた」という話も聞きます。
1845年Antoine Dubois氏によってbd. de l'Hôtel de Villeに創業された
パティスリーで、ショコラ・ノワールをかけたMadeleinettes(ミニマドレーヌ)がスペシャリテでした。(彼の息子、Pierreが工場化を推し進めて1970年に移転、現在は孫のJean-PhilippeとPierre-Louisが跡を継ぎ、約140人の従業員を抱えるまでになっています。)
← 「Bijou」の宣伝用Pins。土地柄磁器製のものも♪
↑ Bijouの看板 工場直売所入り口 店内
L’inventaire du patrimoine culinaire de la France のLimousin版の中では「1931年のGuide UNAで、1840年創業のMaison PaublancがMadeleine de Saint Yrieixの創作者」となっていますが、観光局のパンフレット等では現在町のパティスリー等で販売されているマドレーヌは「1894年に創業したパティスリーのPierre Aublancの跡を引きついだもの」とあり、Paublancについては触れられていません。
↑ Le Croquembouche Pomminetteの看板 リモージュ焼きのマドレーヌ
かつてAublancの店があったと言われる場所にあるパティスリー「Le Croquembouche」のAlain Ponthier氏によれば、この店は1892年創業、彼が買い取った後、改装中に壁の中から「recettes des Madeleines Aublanc」とMadeleine limousineの創作者で1900年Aublancのシェフ・パティシエだったM.Vidalのルセットが書かれた書類を発見して、大変驚いたといいます。
実際に拝見させて頂きましたが、手書きで丁寧に作り方が書かれており、Aublancの文字がはっきりと分かります。(PaublancというのはP. Aublancの間違いだったのかな?とも思えます)
→ [La Cerise sur le Gâteau]のmadeleinettes
(以前はこの町にあったがSaint-Maurice-les-Broussesへ移転した「Madeleines Bébé」もある)
← 「Boule d’or」&店内
結局のところ実際の歴史解明までは至りませんでしたが、「Le Croquembouche」を始めとする多くのお店でマドレーヌが見られ、町ぐるみで愛されているお菓子であることは確か。
生産数では負けるかもしれませんが、これを作っている店の数を比べるとCommercy;コメルシーよりも多いかもしれませんね。
* Madeleine BIJOU Les Lacs 87500 St Yrieix La Perche
* Madeleines Boule d’or Le Chevrier - Route de Limoges 87500 St Yrieix La Perche
* Madeleines Bébé rue des Lauriers ZA 87800 Saint-Maurice-les-Brousses
* Le Croquembouche 9 rue Emile Frange 87500 St Yrieix La Perche
* La Cerise sur le Gâteau 4 rue Grévy 87500 St Yrieix La Perche
roiboitさんはお好みのタイプでしたか?
地域で愛されているお菓子って素敵ですね。
こちらはコメルシーのよりも多少しっとりめのが多かったです。
(なにぶん全部制覇していないので断言出来ませんが・・・)
さらにチョコ掛けしたものもあるので、ナチュールはそんなに甘く感じませんでした。
ビターアーモンドのエッセンスで香り付けしてあるので、これが苦手な人にはお薦め出来ません。
ポミネットは焼きたてはリンゴの香りがフ~っとして最高!
でも冷めると固くなって香りも飛んでしまい、改良の余地を感じました。
(生地に液体を入れると焼き上がりが重たくなりますよね?)
焼きたてが最高って、一番の贅沢ですよね~食べてみたい!
フランス人は小さい頃からビターアーモンドやピスタチオのある種人工的な香りに慣れているせいか、慣れていない日本人に比べると香りが強くてもあまり気にならないようですね。
焼き立てが絶対に美味しいとは限りませんが、やはり香りは焼き立てが一番強く感じますから・・・。
自分じゃなく、他人に作ってもらってちょっぴり食べるっていうのが一番の贅沢のような気がします~♪