「Marianne Hirigoyenのガトー バスク」
2010年 06月 17日
初めてガトー バスクを商品として販売し始めたMarianne Hirigoyenのルセットを継承している
マルセイユ出身の劇作家で「シラノ・ド・ベルジュラック」を書いたEdmond Rostand ; エドモン・ロスタンの別荘villa Arnagaがあることでも有名な街。
ここへはバイヨンヌからバスと電車が通っていますが、季節によっては無人駅となっていることもあるのでご注意を。
タクシーも無く、中心地は駅から少し遠い丘の上にあるので、荷物が重いと歩くのはちょっと大変!
← 駅から畑の横を通り、橋を渡って上の町までテクテク♪
→ 当日、店前にある広場の気持ちよさそうな木陰では古書市が…
現在のオーナーはJean-Michel Echeverria氏。
彼の父がAnneとElisabethの姉妹からルセットを引き継いだAlbert Ingres氏の店に1948年から働き始め、
1950年にIngres氏から店とルセットを買い取ったそうです。
「Soeurs Biskotx」とあだ名されたDibar姉妹の姉Anne Dibarが
現在のPâtisserie Ingres-EcheverriaはIngresの店があった場所と同じではありますが
Marianne Hirigoyenの店があった場所とは違うことが分かります。
Jean-Michelはまだまだ若い青年で、菓子の歴史については詳しく知らず(あまり興味がない様子)、
クレーム パティシエール入りのガトー バスクの方がサクランボ入りよりも古いと思っていたようで…
(クリーム入りが作られるようになったのは19世紀末から)
彼の父親は既に退職している為、色々な話を聞けなかったことが非常に残念でなりません。
店はクラッシックな作りで、店内には広めの喫茶スペースがあり、母親がお店を担当していました。
外から見えるスペースにはスペシャリテの
← Jean-Michelさんと
お菓子を持つ彼のお母さん
ひと通り話し終わると地下にあるラボへ行き、作り方を見せていただきました。
「ガトー バスクのスペシャリスト」と紹介されたJean-Claude Lazcanoさん。
この当時59歳で「もうすぐ引退する」と言っていたので、きっともういらっしゃいませんね。
使う生地はPâte sabléeに似た(でも違う)もので、大量に仕込んでありました。
これを適当な大きさ切り取って手早く円形に伸ばし、タルト型に敷きこみます。
ブリブリッと固めに煮たcrème pâtissièreをコルネですくって詰め、同様に丸く伸ばした生地で蓋をする。
卵でドレし、小さめの抜き型で三日月形に抜いた生地を4枚並べてローブリュー形に並べてとアッと言う間に完成。
crème pâtissièreを入れたものも意外に日持ちが良くて(合計2度火を通している為)常温で3日間保存可能です。
さて「Marianne Hirigoyenの店はどこにあったのでしょうか?」
この菓子のスペシャリストで歴史家のMarcel Douyrou氏の記事によれば、Marianneの時代Xerri Karrika地区に彼女は小さな店を持っていたことが分かっているといいます。
この地区が現在同じ名前の通りがあるあたりだとするとPâtisserie Ingres-Echeverriaのある場所とは違うことが
分かります。
またDibar姉妹は30年間「ガトー バスクを入れた籠を持ってrue des Terrassesのmaison Gasteluberriaという店へ通う姿が見られた」ということなので、彼女たちもこの付近に店は持っていなかったことが伺えます。
Marianneの店が映っているポストカードがあるので、実際に行ってみれば正確な場所は分かるかもしれません。
逆方面からタクシーで通ったのですが,駅にはタクシーの
電話番号しか書いておらず,皆さんどうしているのかしら?と
想っていました。なかなかハードそうですが,これも旅の楽しみの一つですものね ^^ 私も負けずに今後も足腰鍛えておきます(笑)
当分バスクに行けないので,ガトーバスク熱も冷めかけていたのですが,記事を拝見させて頂いてまた盛り上がってきました(笑)
詳細な説明、読み応えが有り楽しく拝見させて頂きました!メルシ!!
そーなのです。
この時は1泊分の荷物を背負い、ハイキング気分で楽しく歩けました♪
でも初めてこの駅に降りた時は駅舎が閉まっていてタクシーの電話番号表示もなく、途方にくれ…(涙)。
幸い一緒に降りたおばさまが番号を調べて読んでくれたおかげで助かりました(この時はここからEspeletteのホテルまで行く予定だったのです)。
そうそう、結局parisさま手作りの100%ガトーバスク、ありつけませんでしたね~。いつか食べたいです!
よくお菓子ブログとかで見るのは、マロンやショコラを入れてガトーバスクと呼んでるのが何か本物のガトーバスクとかけ離れすぎてがっくりします。やはり、サクランボが入って無いとなぁ。
ここのお店の喫茶スペースで食べてみたいですね。
ガトーバスクも現地で食べてから食べたと言いたいですから、
日本では食べないんです!