人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ノルマンディーのお菓子「Le Brasillé ; ル ブラジエ」

正確にはBasse-Normandie ;バス ノルマンディー地方、Calvados ;カルヴァドス県Cean ; カーンの南部
で作られているお菓子です。
Brasillé ; ブラジエという名前は、13世紀に使われていた「炭火でグリエ或いはローストする」ことを意味
する動詞「brasiller」に由来しています。
ノルマンディーのお菓子「Le Brasillé ; ル ブラジエ」_b0189215_20463571.jpg
↑ これが焼き立てのブラジエ♪ 粉砂糖を振って熱々をいただきます。

19世紀半ばには「カルヴァドスの主に沿岸部で作られる、ブラジエと呼ばれる炭火で焼いたガレット」と
言った記述が残されています。
この時代のブラジエは薪釜を温める際、窯の入口に入れて温度を見極めるためのガレット形パンでした。
それが時の流れと共に変化して行きます。
1938年にJean Seguinは「少し厚みのある細長く柔らかいGâche ;ガッシュ(ブリオッシュ状のパン菓子)の1種」だと描写していますが、さらに後になると「saindoux(ラード)を使って作られたパイ状のガレットで砂糖を振って熱々を食べるもの」へと変わっています。
今日では多くの場合クロワッサン生地やパイ状のブリオッシュ生地で作られておりフルーツを入れたものも
登場しています。

さて、私がこのお菓子を訪ねる旅に出たのは2006年10月のこと。
いつもは電車とバスの旅ですが、今回は車であちこちつれて行って貰えるということだったので、
なかなか行けないところへ行こう!という、ちょっと欲張りな旅行でした。

ノルマンディーのお菓子「Le Brasillé ; ル ブラジエ」_b0189215_23191354.jpg朝早く知り合いの家に集合、車で一路シャルトルへ。
パテ・ド・シャルトルとモンチコフを買った後
イリエ・コンブレに寄ってマドレーヌを買い、
お昼はル・マンの知り合いのお宅でごちそうになり、
その後ようやくノルマンディーへと進路を取ったの
でした。
地図を片手に「あっちだ、いやこっち」と狭い道、
ぬかるんだ道をうろうろ。
やっとのことで目的の町に辿り付いた頃には、
すっかり夕方になっていました。

その町の名はClinchamps-sur-Orne ; クランシャン シュル オルヌ。

ノルマンディーのお菓子「Le Brasillé ; ル ブラジエ」_b0189215_2314455.jpgそう、この町で作られる「brasillé de Clinchamps-sur-Orne ;
ブラジエ ドゥ クランシャン シュル オルヌ」を食べる為だけに、
この町へやって来たのでした。
(あちこち寄ったけどココが最終目的地♪閉店前に無事着いてよかった~)

ここのブラジエは1980年Roussel ;ルーセル氏によって商標登録
されたもので、作り方は勿論秘密。
現在は若いブーランジェのPhilippe Pépin; フィリップ ペパン氏(写真)によってこの秘密のルセットが引き継がれています。
ここで作られているブラジエはクロワッサン生地系。
見た目はちょっと無骨で、味もかなり素朴な感じ。
でも、まだ冷め切らないうちに軽く砂糖を振って食べるたら最高!
小麦やバターの美味しさがダイレクトに伝わってきて、
まわりのカリッとした感じもなかなかの美味しさでした♥

毎年9月中旬には、この街でfête du Brasillé ブラジエ祭りも
行われているとか。

この時はこの「クランシャンのブラジエ」にしか出会うことは出来ませんでしたが
いつかまた、これ以外のブラジエも食べてみたい! 


※※※



にほんブログ村 旅行ブログ フランス旅行へ
にほんブログ村 スイーツブログへ




* Boulangerie-Pâtisserie Le Brasillé
 Philippe Pépin   Le Bourg 14320 CLINCHAMPS SUR ORNE
Commented by M at 2013-03-17 13:54 x
ノルマンディーもよく行きますが、ブラジエと言うお菓子は初めて
見ました。炭火で焼くと言うのにそそられます!
これも熱々の所を頂きたいですねぇ。
Commented by Ethno-PATISSERIE at 2013-03-17 22:51
Mさん 現在のブラジエは炭火焼きではありませんが、熱々はとても美味しいです。
by Ethno-PATISSERIE | 2010-10-21 23:34 | ④Basse-Normandie | Trackback | Comments(2)

<仏蘭西菓子研究所>フランス地方菓子&行事菓子 ガトーデロワ&フェーヴ *by roiboit*


by roiboit