Massepains de Saint-Léonard de Noblat; マスパン・ドゥ・サンレオナール・ドゥ・ノブラ
2011年 07月 11日
フランスで「Massepains ; マスパン」というと、
お菓子の材料である「pâte d’amandes ; パート・ダマンド」を指すこともありますが、
ここでは完成されたお菓子である「マスパン」のこと。
◎マスパンという名前の付いたお菓子は、大きく3タイプに分けることが出来ます。
・アーモンド+フルーツの「カリソン」タイプ
・アーモンドベースの素朴な「マカロン」タイプ
・ビスキュイタイプ(アーモンドは入っていない)
リモージュからバスで30分程のところにあるSaint-Léonard de Noblat ; サンレオナール・ドゥ・ノブラでは、
マカロンタイプのマスパンが作られています。
以前リモージュへ訪れた際、ここへ行ってみようと試みたことがありましたが、
バスしかなく、本数も少なかったため諦めたのでした。
その後2006年5月「Confrérie des Lichonneux de Tarte Tatin」のChapitre;シャピトルに参加した際、
たまたま「Confrérie du Massepain de Saint-Léonard de Noblat ;コンフレリー・デュ・マスパン・ドゥ・
サン・レオナール・ドゥ・ノブラ」のメンバーが参加していて、お話をしたのをきっかけに、
再び行ってみようと思い立ったのでした。
町の中心にあるロマネスク様式のCollégiale;コレジアル(司祭ではなく参事会は管理する教会)は
ユネスコの世界遺産「フランスのサンティアゴ・デ・コンポステラの巡礼路」の中に登録されています。
古い建物も多く残されていて、中世の面影を感じさせてくれます。
聖レオナルド(レオナルドゥス)の墓があり、囚人の鎖で飾られています。
この町のマスパンは1899年に「Camille Petitjean;カミーユ・プティジャン」が売り出したことから始まったと言います。
(看板にはdepuis 1830と書かれていて、店の創業の方がマスパンの生まれた年よりも古かったことが分かります。
またこの看板は後にルセットを受け付いたSerge Rampnoux氏の名前が書かれています)
元となったルセットは、食料品店を営んでいた彼のおばMme. Betouleから受け継いだもので、
彼女自身は「町に立ち寄ったスイス人修道士に教わった」と言われています。
カミーユの後は娘のジャンヌが彼女の子供、ガベル夫妻の協力でこれを作り続けたそうです。
一方『マスパンは近くにあった「アルティージュ修道院」に由来する作り方によって作られていたものである』
という話もあります。
地元の修道院で作られていたマスパンが一般に広まり、
プティジャン氏が改良して大々的に売り出したということも考えられますね。
当時は薪オーブンで焼かれていたそうですので、薪の香りが付いてさらに美味しかったでしょう^^
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さて訪問当日は、町のパティシエFernand Coignac 氏とアポイントを取っていたのですが、
店へ到着すると店が閉まっていて誰もいない…(涙)。
(どうも定休日と気付かずに訪問のOKをくれたようで…^^;)
仕方が無いので、ご挨拶の手紙を出していた
「Confrérie du Massepain」のMm.Bigas宅へダメモトで
行ってみると、幸い在宅しており少しだけお話をお聞きすることが出来、さらには「Pâtisserie Caron;パティスリーカノン」のJérôme Caron氏をご紹介くださって、
幸運にも作り方を見せていただくことが出来ました。
*残念ながら現在Pâtisserie Caronは
観光局に問い合わせたところ、閉店したとの返事がきました。
現在マスパンの製造販売をしているのはPâtisserie Coignac、Pâtisserie Colignon 、Pâtisserie Gouissemの
3店だそうです。
<作り方>
・皮をむいたスペイン産のアーモンドを粉砂糖と一緒に↓の機械にかけてすりつぶす。
・メレンゲを加えて混ぜ合わせ、室温で寝かせる。
・卵白等を加えて生地を調整。
・オーブンシートを敷いたプラックに、絞り出し袋で生地を絞る。
・表面に刷毛で水を塗る。
・オーブンで焼く。
主材料はマカロン『同様アーモンド、砂糖、卵白』と単純。
材料の割合、生地を寝かせる時間や焼き方等によって仕上がりは微妙に異なり面白い。
この時は「Caron, Gouissem,Colignon, Aux Folies Gourmandes」の4種類を食べ比べです♪
← Caron以外の3種類。左がGouissem
教会の前にあったPetitjean氏の店はそのまま残されていましたが、店は閉じられたまま。
(今はどうなっているのでしょ?)。
Pâtisserie Gouissemの看板には
「Seul détenteur de la recette Petitjean ;
プティジャンのルセットの唯一の保有者」
と書かれていましたので、
Serge Rampnoux氏からルセットを受け継いだのはこのお店。
つまり、ここのマスパンがオリジナルに一番近いということですね。
Chapitreシャピトル
* 新しいメンバーの就任式やディナー・ダンスパーティ等の行われる懇親会が行われ、
他のコンフレリーも大勢参加します。
・Pâtisserie Colignon:パティスリー・コリニョンでは古い道具を使ったマスパン製造の見学が出来ます。
要予約 電話;05 55 56 25 06
2011年度見学可能日
jeudi 21 juillet 2011 à 14h00
jeudi 28 juillet 2011 à 14h00
jeudi 04 août 2011 à 14h00
jeudi 11 août 2011 à 14h00
jeudi 18 août 2011 à 14h00
jeudi 25 août 2011 à 14h00
Caronが閉店した今では、貴重な体験となりましたね。
ラデュレのマカロンしか食べた事無い私には、羨ましいです。
パリのパティスリーで買うマカロンと地方の昔ながらのマカロンは全然違う物ですしねぇ。今度は、食べて来ようと思いました。