Massepain de Montbazens ; マスパン・ドゥ・モンバザン
2011年 08月 21日
・アーモンド+フルーツの「カリソン」タイプ
・アーモンドベースの素朴な「マカロン」タイプ
・ビスキュイタイプ(アーモンドは入っていない)
今回はビスキュイ系マスパンです。
『Le Massepain de Montbazens ;マスパン・ドゥ・モンバザン』
(周辺地域でも作られています)
「卵、砂糖、小麦粉(&バニラ)」で作られる、シンプルでとても軽いお菓子。
紙を敷いた型に生地を入れ、表面に砂糖を振って焼いてあるのが特徴です。
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この町を訪れたのは2002年のこと。
Rodezから、この町から遠くないBelcastelまで行った帰りにタクシーで寄ってもらいました。
この町にはboulangerie-pâtisserieが2軒。
もう1軒がまだ昼休みだったので、残念ながら1種類しか買えませんでした。
たまたま歩いていたおばあさんにこの菓子について尋ねてみると
「お店で買うこともあるけれど、各家に代々伝わるルセットがあるし、簡単だから今でも家で作るわよ。
crème anglaise(アングレーズソース)やsalade de fruits(フルーツサラダ)、île flottante(イル・フロッタント)を添えて食べると美味しいの。」と教えてくれました♪
この辺りでいつ頃から作られるようになったのかは不明ですが
「19世紀、この町のある家族がとっても美味しいマスパンを作っていた」ことが知られています。
また、それまでは家で作られるお菓子だったものが1950年代からはお店でもはんばいされるようになり
この頃は「近郊の農家が材料を持参し、パン屋が製造していた」ことも分かっています。
mariage(婚礼)の際には、大きさの違うマスパンを3~5個ピラミッド状に重ね
フォンダンをかけたり、上に新郎新婦の人形を飾ってPièce montée;ピエスモンテにして供され
この伝統は今でも続いていると言います。(見てみたい!)
でも『なぜビスキュイがこの辺りで「マスパン」と呼ばれるようになったのか?』は分からずじまい。
Biscuit de Savoie ; ビスキュイ・ドゥ・サヴォアタイプの菓子は、今から3世紀程前にはフランス中に
Quercy ;ケルシー地方の「Massepain du Quercy ; マスパン・デュ・ケルシー」と
Périgord ; ペリゴール地方の「 Massepain périgourdin ; マスパン・ペリグルダン」でしょう。
* 『Quercy ;ケルシー』とはMidi-Pyrénées地方のLot ; ロット県とTarn-et-Garonneタルン・エ・ガロンヌ県に広がる地域のこと。
* 『Périgord ; ペリゴール』とはAquitaine 地方のPérigueux ; ペリグーを中心に広がる地域のこと。
お店で販売されているのはあまり見かけませんが、これらの地方のマルシェではしばしば目にすることが出来ます。
1933年に出版された、フランス各地の食に関するスペシャリテを紹介している
「Le Trésor gastronomique de France (Curnonsky,Austin de Croze共著) 」の中には
Massepains de Périgord と
Massepains de Montauban の2種類が掲載されていて
このころ既にスペシャリテとして認識されていたことが分かります。
各家庭に伝わるルセットで手作りされる、シンプルだけど個性的なマスパン。
結婚式で出されるピエスモンテのマスパン。
家族や友人たちと一緒に食べられているマスパンを想うと、思わず笑顔に…^^
マスパンとは、初めて聞きました。美味しそう!
イル・フロッタントと合いそうですね。
ベルギー人の叔母さんにイル・フロッタント作ってもらって食べた思い出があります!好きです。
南仏のカリッソンは食べた事があります。
3つのタイプを食べ比べてみたいですね。
結婚式でも出されるお菓子なんだなぁ〜。
Tourte Pyrénées トゥルト・ピレネーと言うお菓子で
パスティス風味のブリオッシュ型でこんもりと焼き上げるそうです。
パスティスはスターアニスの種子を原料としたリキュールだそうです。
で、トゥルトの語源は丸いパンだそうです。
roiboitさんはトゥルト・ピレネー、食べた事がありますか?