Le Nougat de Tours ; ヌガー・ドゥ・トゥール
2012年 04月 19日
パート・シュクレに小さく角切りにしたフリュイ・コンフィと杏のジャムを敷き、アーモンドプードル・砂糖・卵白で出来た
マカロナードをかぶせ、表面に粉糖を振って焼いたタルトです。
本来はalberges ;アルベルジュと呼ばれる、種と果肉がくっついて外れない種類の杏から作るジャム、
confiture d'albergesを使いますが、オレンジ・マーマレード等も使われています。
* ヌガーというとヌガー・ドゥ・モンテリマールのようなコンフィズリーが思い浮かぶかもしれませんが、
このようなタイプのお菓子もヌガーと呼ばれます。
*Jules Gouffé (1807 – 1877)著「Le Livre de Pâtisserie」の中ではnougats d’abricots ;ヌガー・ダブリコ、
ブリオッシュ生地の上に杏のジャムを重ね、アーモンドスライス等を振りかけて焼いたヌガー等が掲載。
Pierre Lacam (1836 – 1902)著「Le Mémorial historique et géographique de la pâtisserie」では
同じnougats d’abricots ;ヌガー・ダブリコの名前で、ブリオッシュの代わりにパータフォンセを使用。
1998年から、このお菓子の販売促進活動を行っているConfrérie Gourmande du nougat de Tours ;
コンフレリー・グルマンド・ドゥ・ヌガー・ドゥ・トゥールのサイトによれば、
この菓子の最初のルセットは1865年頃に遡り、レストランオーナーシェフCharles BARRIER氏(故人)の蔵書の中にあったモナコ大公シャルル3世(1818-1889)の料理人が書いた本の中に見つけ、お客に勧めるお菓子があまり無かったことから1970年代に作りだしたのだとか。
*このコンフレリーでは年に一度、プロ向けのコンクールを開催。
パティスリーで販売されるようになったのは1992年で、最初に売りだしたのはPoirault;ポワローというお菓子屋さんだという話もありますが、真偽のほどはいかに?
(この店では「Le Véritable nougat de Tours(本物のヌガー・ドゥ・トゥール)」の名前で販売)
*「第二次大戦前に流行していた」という説もありましたが
美食家CurnonskyとAustin de CROZEの書いた「Trésor gastronomique de France(1933年)」という
フランス各地のスペシャリテについて書かれた本の中にはPruneaux fourrésは載っているもののヌガーは無し。
現在、伊勢丹新宿店で開催中のフランス展(4/18-23)では ルレ・デセールのメンバーでもある
La Chocolatière;ラ・ショコラティエールのヌガー&その他の商品が販売されていますね♪
(こちらは杏ジャムの代わりにオレンジマーマレードを使用です)
※※※
この様なお菓子もヌガーと言う名がつくのですね。
ヌガー・ダブリコも食べてみたいです。
お菓子の作り方を読むのも楽しいです。
私は実際は、クレープやパンケーキしか焼けない、買って食べるだけの人です。