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マリー・アントワネットも食べた(?)「Biscuits de Montbozon ;ビスキュイ・ドゥ・モンボゾン」

Franche-Comté ;フランシュ・コンテ地方 Haute-Saône ;オート・ソーヌ県にある
人口500人余りの小さな町 Montbozon ;モンボゾン

鉄道も通っておらず、バスさえも週に数本しかないこの町で
Biscuits de Montbozon ;ビスキュイ・ドゥ・モンボゾン」は作られています。
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↑ 箱のラベルには「Le rois des desserts et le dessert des rois(デザートの王様、王様のデザート)」の文字が・・・

この菓子の存在を知るきっかけは、研究テーマにしているお菓子の1つMassepains;マスパンでした。
たまたま目にした本の中に「Biscuits de Montbozon、別名 Massepain」と書かれていたので、
それほど遠くないFavernay ;ファヴェルネにあるフェーヴ会社Primeへの取材時に訪れました。
(訪問日2006,10,17)


言い伝えによるとこのビスキュイは、その昔フランス革命によってルイ16世がこの世を去った後、
宮廷パティシエだったGuichard ;ギシャールという人物がモンボゾンへ逃れてきたことに始まります。
彼はHôtel de la Croix d’Or ;オテル・ドゥ・ラ・クロワ・ドールというホテルで余生を過ごし、
そして、隣人であり日用品やお菓子を売る店の所有者であったMademoiselle Prudhon ;プリュドンさんに
このビスキュイのルセットを教えたのだとか。
(L’inventaire de patrimoine culinaire de la France ;Franche-Comté ;1993による)
* このホテルの所有者がLanternier ;ランテルニエ家で、彼が直接この一家にルセットを教えたとする説もある。
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↑ お店に飾ってあった写真や文書(絵葉書?)にはLanternier-Prudhonの名前も見られる

彼女はこのビスキュイを販売、その後そのルセットはCaney氏に引き継がれます。
* このビスキュイはCaney氏によって1857年商標登録されている。


Caney氏の死後、この一族は2つの家系に分かれ、その両方それぞれがビスキュイの製造を続けた為、
工房が2つとなりました。

その一方は婚姻によりランテルニエ家によってルセットは引き継がれ、次いで第一次世界大戦前に
現在の所有者Frédérique Ventron-Cuseniers ;フレデリック・ヴァントロン・キュズニエさんの
祖父Jules Ventron ;ジュール・ヴァントロン氏へと引き継がれました。
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↑ フレデリックさん。後ろには木箱入、紙箱入、ビニル袋入のビスキュイが・・・


フレデリックさんは1994年、彼女の父が退職するのを機に店を継いでいます。
そして2006年、段差もあって働き辛かったという以前工房&店から600m程の所へ近代的な工房と販売所を
作り移転しました。
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↑ こちらは新しい工房&店舗


* もう一方のJeannerot-Hostalの工房は第二次世界大戦後に閉められましたが、
モンボゾン出身のBoisson氏がルセットを取得し、Favernay ;ファヴェルネで製造販売をしていましたが
ここを訪れた際には既に店を閉めた後でした。

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↑ 旧工房&店舗
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↑ お店に飾ってあった写真。左から3人目の白衣を着た人がフレデリックさんの祖父ジュールさん、左の男の子が父親


さて、肝心のビスキュイの方はと言うと…

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材料は砂糖、小麦粉、卵、転化糖、ベーキングパウダー、香料。
生地を長径6cm程の楕円形に絞り出したものに粉砂糖を振りかけて焼き、2枚1組にくっつけてあります。
生地を絞り出した後、粉砂糖を振って焼いてあるので表面はカリッとしていますが、中は柔らかくて口溶けもよく、コントラストが良い感じ。
何で香りを付けているかは企業秘密とのことですが、私には強いベルガモットの香りとオレンジフラワー
ウオーターの香りを感じました。
* こちらの動画では、訪問時には「見せられません」と言われた工房の中が紹介されています♪

透明な袋に入れて簡単にシールされているだけなのに、日持ちは2カ月。
時間がたってもカリッとした表面と内側の柔らかさは変わらないのに驚きでした!

ベルガモットがフランス(ナンシー)に入ってきたのは1750年のことで、その使用は王族や貴族に限られていたそうな。
スタニスラス・レクチンスキーのシェフ・キュイジニエGilliers ;ジリエ
ベルガモット風味のSucre d’orge ;シュクル・ドルジュを作っていたことから見ても
ルイ16世やマリー・アントワネットがベルガモット風味のビスキュイを食べていた」というのは
ちっとも不思議ではありませんね♪


そして、当初の目的であったマスパンの方は・・・
ビスキュイの別名と言う訳ではなく、別に販売されていました(ここのはマカロン系)。
両方とも古くからあるスペシャリテだったのですね。
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↑ これがマスパン。丸くドロップ状に絞り出してある




※※※


* これはmixiで(2007,04,01)upしたものに加筆したものです。

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by Ethno-PATISSERIE | 2012-04-26 20:16 | ⑩Franche-Comte | Trackback | Comments(2)
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Commented by M at 2013-04-13 11:40 x
ビスキュイ、美味しそうだなぁ。2枚1組のは、初めてです。
パッケージが素敵ですね。食べた後、取っておきたくなります。
何で香り付けしてるか秘密なんですね。ベルガモットかぁ。
マスパンは絞り出したままの形が素朴で良いですね。
Commented by Ethno-PATISSERIE at 2013-04-13 21:43
Mさん 車無しには行けないような田舎の小さな町で、「よくぞ作り続けていてくれました!」という感じです。香りも繊細でとっても美味しいビスキュイでした。
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