「Le Cion ;シオン」という名のお菓子
2012年 06月 01日
「Le Cion ;シオン」はBresse louhannaise ;ブレス・ルーアネーズと呼ばれる地域のスペシャリテ。
フロマージュ・ブランを使ったtarte au fromage ;タルト・オ・フロマージュ、
* フランスには県など行政区分とは別に、自然地理区(region naturelle)と呼ばれる地域区分があり
地形などの物理的特徴や独自の文化的アイデンティティによって分けられている。
ブレス地区はローヌ・アルプ、ブルゴーニュ、フランシュ・コンテの各県にまたがり、
Bresse bourguignonne ;ブレス・ブールギニヨンヌ
Bresse de l'Ain ;ブレス・ドゥ・ラン
Bresse jurassienne ;ブレス・ジュラシエンヌと呼ばれる3つの地域に分かれる。
ソーヌ・エ・ロワール県の東部に位置するブレス・ブールギニヨンヌは
更に Bresse louhannaise ;ブレス・ルーアネーズとBresse chalonnaise ;ブレス・シャロネーズに
スペルは「cion ;シオン」の他にscion, s’cion, shion等と書く場合もあります。
なんだかフランス語っぽくない、ちょっぴりカワイイこの名前^^
気になって色々と探してみたのですが、どうしてもその由来は分からず…。
他に「tarte au quemeau ;タルト・オ・クモー」という別名もあって、こちらの方は広い地域で見られる名前です。
* 同様のお菓子はフランス北東部で広く見られる。
「quemeau ;クモ―」 と言う語はブレスの俚言で「フロマージュ・ブランと生クリーム或いは牛乳、
古くはパン生地で作ったガレットの上にのせて焼いていました。
* シオンは甘味バージョンのみ。別の地域には「Fra ;フラ」と言う名前で塩味バージョンが作られている。
作り方は地域や家庭によって変化はありますが、大体こんな感じ。
沸騰させた牛乳にセモリナ粉を入れ、濃度が出るまで煮る。
これを冷ましたものに、水けをきったフロマージュ・ブラン、砂糖、塩、卵を混ぜる。
パート・ブリゼを敷いた型に入れてオーブンで焼く。
これにフルーツ等を加えることはありません。
このお菓子、年中作られているというお話でしたが、
Louhans ;ルーアンでは、取材させて頂いたPâtisserie aux Fiançailles ;パティスリー・オ・フィアンサイユでしか見つけることは出来ませんでした。
ごく普通の名前…。
せっかくカワイイ名前が付いているのにもったいない!
さて肝心のお味の方ですが…。
訪問時、タイミング良く焼き立てのホヤホヤがテーブルに♪
フロマージュ・ブランのあっさりとした味といくらでも食べられそうなくらいの軽さで、とっても美味しい!
(冷めると多少しぼむので焼き立ての方が見た目も美味しそうですが、冷めても美味)
この辺りは同じようなお菓子が、名前も様々に存在していて興味深いです^^
ブルゴーニュは大親友が住んでおりまして、よく行きますが、
シオンってあるんですね知りませんでした。
タルト・オ・フロマージュの種類は大好きなので、今度行ったらパティスリーで見てみます。
ちなみに友達は、Paray le Monial パレイ・ル・モニアルに住んでます。
「シオン」の名前で販売されているのはまだ見たことがありませんので、見つけたら是非教えてくださいね。Parayにお友達がいらっしゃるのですね。「カクー」また食べに行きたいです^^