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Gâteau du Président de chez Bernachon ; ベルナションの「ガトー・デュ・プレジダン」

Gâteau du Président ;ガトー・デュ・プレジダン」はLyon ;リヨンにある有名なショコラトリー、
Bernachon ;ベルナションのスペシャリテ。

メゾン・ベルナションでは、初代Maurice;モーリスが1953年に開業して以来、
モーリスの息子Jean-Jacques ;ジャン・ジャック、そして2010年からは3代目Philippe ;フィリップにより
家族やスタッフと共に、職人の技によって作られるショコラやお菓子の数々が受け継がれています。

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                    ↑ Gâteau du Président ;ガトー・デュ・プレジダン


このお菓子はPaul Bocuse;ポール・ボキューズ氏が当時の大統領Valérie Giscard d’Estang ;ヴァレリー・ジスカール・デスタンより、レジオン・ドヌール勲章(*)を授与されたことを記念し、1975年2月25日、パリのエリゼ宮で開かれた午餐会(=déjeuner ・昼食会)のデザートとして出されたことで有名になりました。
(*)Chevalier de la Légion d’honneur ;シュヴァリエ・ドゥ・ラ・レジオン・ドヌール(ナポレオン1世により創設された国家功労者へ送られる勲章。1から5等まであり、シュヴァリエは5等)。料理人としてはこの時が初めての受賞。
1987年、ボキューズ氏はOfficier(4等のオフィシエ)を受賞している。
* この午餐会には大統領夫妻の他、フランス一流の料理人たちが出席。
ボキューズ氏は記念としてSoupe aux truffes V.G.E ; スープ・オ・トリュフ・V.G.E.(ヴェー・ジェー・ウー)
(パイを被せたトリュフスープ)を考案。


ボキューズ氏の娘Françoise ;フランソワーズとベルナション氏の息子ジャン・ジャックが1969年に結婚したことで両家は姻戚関係となっており、ベルナションはデザートとプティ・フールの担当を任されました。
当時ベルナションで研修をしていた川北先生の話によると、店で仕上げられたお菓子類はジャン・ジャックとスタッフが車でパリまで運んだのだとか。

このお菓子はこの時、大統領の為に考案されたと思われているかもしれませんが、
実はそれ以前から Montmorency ;モンモランシーの名前で既に作られていました。勿論デコレーションも同じ。

モンモランシー」というのはパリ近郊、北部にあるサクランボの産地のことで、
同時にサワーチェリーの品種名でもあります。
その為、料理やお菓子に「モンモランシー」と付けばサクランボが使われていることが分かります。
この名前がつけられたお菓子は様々ありますが、ラルース・ガストロノミックによると最もクラシックなものは
シロップ煮のサクランボをはさんだジェノワーズの表面をメレンゲで覆い、サクランボのコンフィで飾り付けたものだとか。

ベルナションの「モンモランシー」はおそらくモーリス・ベルナション氏がショコラトリーを始めて以降、
それまであった「モンモランシー」というお菓子のチョコレートバージョンとして考案されたものでしょう。
とはいえ、いつから作られるようになり、最初からこのスタイルだったのかは不明。


◎プレジダンの作り方はこんな感じ
ジェノワーズを横3枚に切って、チェリーマルニエ風味のシロップを染み込ませ、
ガナッシュ・プレジダン(生クリーム、ジャンドゥーヤ、クーヴェルチュール)とチェリー・マルニエに漬けこんだ
粗刻みのグリオット・コンフィを2段はさみ、全体をガナッシュで覆ってから、
金属製のローラーにかけたチョコレートの薄いヒラヒラを張り付け、上部には花びら状にした薄いチョコレートを
ドーム状に飾り付ける。

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↑ ローラーでチョコレートのヒラヒラをとって仕上げている様子。この機械で作るヒラヒラはとっても繊細。これ無しで全く同じものを再現しようとしても絶対に不可能!

川北先生がベルナションで研修していた1974年時点ではクーベルチュールはまだカカオ豆からの製造ではなく、
スイスからマスを仕入れて加工していたと言います。
当時プレジダン(モンモランシー)には専用のチョコがあって、ローラーを使ったチョコレートの仕上げを出来る職人は
1人だけしか居なかったのだとか。
と言うことは、エリゼ宮で出されたものは現在のものとはチョコ部分の味が違うのですね^^

ベルナションがカカオ豆から独自のクーベルチュールを製造するようになったのは1977年からです。
クーベルチュール製造開始前、その開発期間として1年以上の歳月をかけられました。
それまでにも1966年から3年間、ジャン・ジャックがアムステルダムのチョコレートメーカーBensdorpやBlooker等々
外での研修を重ね、チョコレート製造のノウハウや必要な機械を手に入れたり、着々と準備を進めていたと思われます。

ひょっとしたらプレジダンのチョコ飾りを作る機械はチョコレート製造に使う道具を集めている時に
手に入れたものなのかも?
そう考えれば1966年~1974年までの間にプレジダンの前身、モンモランシーが考案されたと想像でるのですが。
* ジャン・ジャックさんの存命中、何度もお会いする機会があったのに、お聞きしなかったことが悔やまれます。
フランソワーズさんにお聞きしたら分かるでしょうか。


さて、「ガトー・デュ・プレジダン」と言う名前についてですが、フィリップに尋ねると
パリのエリゼ宮で開かれた午餐会でサーヴィスする際、ボキューズ氏がこのお菓子を「プレジダン」と
いう名前で紹介した
」と教えてくれました。

それまでお店で「モンモランシー」の名前で販売していたものが、その翌日からすぐに「プレジダン」の名前に変えて
販売されるようになったのかどうかは疑問が残るところ。

L’Hôtellerie Restaurationのココの記事では
エリゼ宮での午餐会の後、この菓子を『モンモランシー』ではなく、『エリゼ』、『ヴァレリー』、『アネモネ』
『プレジダン』などと別の名前で呼ばれるようになり、その中から「プレジダン」と言う名前を選んだ
」と
書かれていました。

どちらが本当なのか、それとも両方本当なのかは確認してみなくては分かりませんが…。



                                ※※※



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by Ethno-PATISSERIE | 2013-08-17 20:40 | 22Rhone-Alpes | Trackback | Comments(8)
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Commented by M at 2013-08-18 08:32 x
Gâteau du Président ポール・ボキューズ氏が当時の大統領に勲章を授与された事を記念してエリゼ宮の昼食会のデザートだったのですね。
デコレーションが華やかですねぇ。
ローラーでチョコレートのヒラヒラをとって仕上げているんですね。
グリオット・コンフィが挟まれてショコラのガトー、これは大好きだなぁ。食べてみたいです!
Commented by Ethno-PATISSERIE at 2013-08-18 11:29
Mさん チェリーマルニエとガナッシュの味がしっかりとしたジェノワーズと繊細なチョコレートが華やかで、ここでしか味わえないお菓子です。アントルメサイズを皆で切り分けて食べるのがお勧め、機会がありましたら是非お試しくださいね^^♪
Commented by M at 2013-08-22 19:41 x
こちらで失礼します。les gâteaux régionaux を見ました!
更新されてて嬉しくなりました!
プンペって随分と大きなお菓子ですね。
ジャンブレットも素朴な感じで美味しそうです!
Commented by Ethno-PATISSERIE at 2013-08-24 00:01
Mさん コメントありがとうございます。なかなか写真の整理がつかず、マイペースでのupになっているというのに、お付き合いくださり感謝です!
Commented by M at 2013-08-27 16:30 x
フランスの友達からミラベルとレーヌ・クロードの季節が始まったとたよりが来ました。
ミラベルはマルシェで買って、レーヌ・クロードはお隣さんから貰う予定だと。どちらも食べた事が無いので次のフランスでは、
タルト・オ・ミラベルを食べようと決めました!
les gâteaux régionauxでroiboitさんが食べたタルト・オ・ミラベル、上に振った砂糖のシャリ感とあって増々食べたくなりました。
更新されたお菓子も全部みました!
Commented by Ethno-PATISSERIE at 2013-08-28 09:46
Mさん お隣からレーヌ・クロードを頂けるなんて素敵(*゚▽゚*)日本でも早くフレッシュのものが手に入るようになればと嬉しいです。
Commented by M at 2013-09-08 17:40 x
chocolat ブログ見ました!
les gâteaux régionaux を見ていたらツイッターの記事に初のショコラブログupとあって行きました。
また、楽しみが増えました!ショコラ大好きなのでこれから興味深く拝見させて頂きます!
ショコラブログ開設、おめでとうございます!
Commented by Ethno-PATISSERIE at 2013-09-08 21:56
Mさん 早速ご覧頂いて嬉しいです。ありがとうございます^^♪ショコラトリーの取材は以前のものなので情報はあまり新しくありませんが、それも歴史と思いupすることにしました。気長にお付き合い頂ければ幸いです。
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