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Aveyron ;アヴェロン県の発酵菓子「fouace ;フアス」

fouace ;フアス』はAveyron ;アヴェロン県のスペシャリテで主に王冠形に作られ、
オレンジフラワーウォーターがしっかり香る発酵菓子。
パン生地に卵やバター等の材料を加えて作られた他の発酵生地同様、家族のお祝い事や祝祭時に
作られていたもので、現在では主に朝食やおやつとして食べられています。
パン屋さんやマルシェには大小様々な「fouace ;フアス」が並び、大きなものは好きな量だけ
量り売りしてくれ、地方や店によって特徴的な形をしていてワクワクします^^
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↑ fouace au levain de la Boulangerie Roques(Laissac)

fouaceの語は、7世紀に灰の中で焼いたパンを意味するラテン語「Focacius panis」に由来する俗ラテン語『focacia』から来た言葉。
フランスのみならず、イタリア語focaccia,スペイン語hogaza,ポルトガル語fogaça,ハンガリー語pogácsa等々、ヨーロッパ各地にこの語を語源に持つ語が存在しています。

また、このアヴェロン県のfouaceの他にフランス国内でもfougassefouée等々の似た名前を持つ菓子が
あり、地域ごとに特徴的な形・味のものがあり、それを探し歩くのはとても興味深い♪
* 日本でなじみ深いのは、プロヴァンス地方で作られる塩味のfougasse ;フガスでしょう。


元々パンから派生し、各地で独自に変化していった甘味&塩味のフアス&フガスたち。
中世からフランスの各地方で作られていたことが知られています。
Fernanc Molinierは著書「Promenade Culinaire en Occitanie(1973)」の中で、
1390年2月24日付けのCommandrie de Saint-André de Gaillacの規約と習慣についてロマンス語で書かれた手書き文書で、コマンドリー・メンバーにLe dimanche des Rameaux ;ディマンシュ・デ・ラモー(枝の主日)用として昼食と夕食に出される食材と共に「テーブルにfougasse ;フガス一切れとワインを置く」と書かれていることを引用しています。
* Commandrie ;コマンドリーとは中世、キリスト教騎士修道会が所有した地所、及び修道士、騎士とその関係者たちが暮らし、訓練する場のこと。
* Le dimanche des Rameaux ;ディマンシュ・デ・ラモー(枝の主日)についてはこちらをご参照ください。 
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↑ Fouace campagnarde d'Entraygue(Entraygueのマルシェで出会った田舎風フアス)


彼は同様に1593年の文書でラングドック州議会がアルビで開いた会議の際、アルビの町は議会のメンバーに「ローズ・ウォーターで香り付けしたfougassets(小さなフガス)を9ダース半とその他のお菓子をガイヤック・ワインと共に贈った」ことも引用しています。

いずれも現在のアヴェロン県の南隣に位置するタルヌ県辺りのことですが、
この辺りではこのころ既にデザートとしての甘いフガス(フアス)が作られていたことが分かります。


私が初めて出会ったのは(確か)1992年のこと。
Laguiole ;ライオルの町で1858年の創業以来ルセットを五代にわたって受け継ぐBoulangerie Rouxの、上に可愛いシニオンがのった『fouace de Laguiole;フアス・ドゥ・ライオル』でした。
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2002年、アヴェロン県を周った際にも様々に特徴的なフアスに出会うことができましたよ♪

現地では『fouace ;フアス』の名前が使われていますが「L’inventaire du patrimoine culinaire de la France ; Midi-Pyrénée版(1996)」では「fougasse aveyronnaise ;フガス・アヴェロネーズ(アヴェロン県のフガス)」として紹介されていて、少し不思議に感じました。
ポストカードにも稀に「fougasse」と書かれているものがあって、お店の人にも尋ねてみたのですが残念ながら「fougasseと呼ぶことは無いけど、そう書いてるものもあるわね」という返事しか聞くことができませんでした。

アヴェロン県の俚言では『fougásso又はfouásso』という名前でした。
なるほど「G」入り、無しの両方が使われていたのですね。

ではなぜ今は「G」無しの「fouace」となっているのでしょう?

あくまでも個人的な想像ですが「fougasse aveyronnaise」という書き方は、より一般的で認知度のある「fougasse」という名前に「aveyronnaise(アヴェロン県の) 」という形容詞を付けて、プロヴァンス地方のフガスとは違うものであることを強調し、また、実際に呼ぶ際は長すぎますし、区別する為にあえて「fouace」という名前を使うようになったのではないかな?と思いました。

フランス各地のスペシャリテについて書かれたCurnonskyとAustin de CROZE共著「Trésor gastronomique de France(1933)」の中にはfouaceやfougasseも掲載されていますが、
この地方のスペシャリテとしては『fougasse d’Espalion』の名前が挙げられていました。
このころは「fougasse」の名前も一般的に使われていたのでしょうか?
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↑ Fouace d'Espalion

いつごろから「fouace」の名前が使われるようになったのかは残念ながらよく分かりませんでしたが、
もう少し時間をかけて調べてみたいと思います♪



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by Ethno-PATISSERIE | 2015-07-29 11:00 | ⑯Midi-Pyrenees | Trackback | Comments(2)
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Commented by M at 2015-07-29 11:25 x
ファスって初めて見ました!
大きい王冠形のパンなんですね。
私もフガスなら知ってます。元々はパンから派生したんですね!
アヴェロン県の方では、マルシェでもファスが売られているのですね!
いいですね、田舎風で。
パン屋さんのファス・ドゥ・ライオル、可愛いまるポチがついてるんですね!
美味しそうです!
実に色々なファスがあるんですね!興味深いです。
Commented by Ethno-PATISSERIE at 2015-07-29 13:10
Mさん お店や家庭によってルセットもそれぞれあって、見た目も味も違うというのが楽しいです♪
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