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カーニバルのお菓子『Garguesse ;ガルゲス』   

もうすぐPâques;パック(復活祭;今年2017年は4月16日)とちょっと季節遅れではありますが、先月お菓子講習会で作ったカーニバルのお菓子をご紹介…。

フランスで、Carnaval (カーニバル)の時期に食べられるお菓子は大きく分けて3つ。

Begnet ;ベニエ Crêpe ;クレープ Gaufre ;ゴーフル


それぞれ地域によって作られる種類が変わります。1種類だけ、或いは2種類作る地域、家庭によっては全部作るというところも

ゴーフルは型が無いと出来ませんが、その昔オーブンが無かった家庭で作ることの出来るものばかり。ここからも、これらの菓子がいかに古くから作られてきたかが分かると思います。元々が家庭で作られていたお菓子だけあって、各家庭で独自のルセットがありました。

中でもベニエは、地域によって様々なタイプや形、そして名前が存在し、とても興味深いものです^^


さて、肝心の『garguesse ;ガルゲスについて

* スペル違いでGargaisses, Gargessesという語も見られる。

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↑ 教えてもらったルセットで作ったGarguesses;ガルゲス

garguesse;ガルゲス』は上記3種の中に含まれるベニエの1種で、Chandeleur ;シャンドルール(2月2日;聖母お清めの祝日)やカーニヴァルの時期に作られるベニエ(揚げ菓子)

Bourgogne-Franche-Comté地域圏Côte-d’Orコートドール県北部に位置するChatillonnais ;シャティヨネと呼ばれる自然地域圏辺りで使われていた、非常に限られた地域での古い名称です。

同じコートドール県とは言っても、croquignoles, golottes(golotes),pognonsという別の名称が使われていた地域もあり、県庁所在地Dijon ;ディジョンでは「fantaisies ;ファンテジー」という名称が使われました。

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↑ こちらはイースト菌を加えた発酵生地のGarguesse;ガルゲス

さて、『garguesseという一風変わったこの語の由来はどこから来たのでしょう。

ラブレーの「Gargantua ;ガルガンチュア」という語の中にもみられるように、「喉」を意味する古フランス語「gargate」に由来する』と考える人、或いは『frire(油で揚げる)が転じてbouillir(沸騰する)を意味するgargouiller(ボコボコ音を立てる)と同じ起源をもつ』のだろうと推察する人もいるようですが、残念ながら実際のところは不明です。

このベニエの存在を知ったのは、私が地方菓子の研究をしていることを知るフランスの友人から「お祖母さんのルセット」を教えて貰ったのがきっかけでした。

お祖母さんのガルゲスは小麦粉・バター・生クリーム(クレーム・エペス)・砂糖・卵を使い、オレンジフラワーウオーター、或いはバニラで香りをつけ、ごく薄く伸ばして揚げるものでしたが、他にもイースト菌やベーキングパウダーを加えたもの等、生クリームは加えないものなど、ルセットは様々あります。

その家だけの特別なものである分、知り合いから直接教えて貰ったルセットはやっぱり特別ですね^^


*他のベニエについてはこちら↓で少し紹介しています。


補足<Carnaval ;カルナヴァル(カーニバル)について>

「カーニヴァル」の語は、ラテン語のcarne « » levare « 取り除く »に由来し、「四旬節の開始」を意味しています。

一般的には「Carême(四旬節)の始まりを表すMercredi des Cendres(灰の水曜日) の前日であるMardi Gras ;マルディ・グラ(告解火曜日)を含む3日間から一週間ほど」がカーニヴァルの期間とされますが、 Carnaval de Nice(ニースのカーニヴァル)など、大々的に行われる町ではこの限りではありません。

* 本来の期間はEpiphanie(公現祭 ;16)からマルディ・グラ(移動祝祭日 ;今年2017年は228)までの期間で、そして当初はクリスマスからマルディ・グラまでの期間であったといいます。

仮面や仮装をすることによって社会的身分から解き放たれ、自由になって羽目をはずす、そして節制期間に入る前に飲んで踊って大いに楽むという目的でしたが、それも元々はキリスト教が現れる以前にあった春の訪れを祝う古代の春祭りで、寒く厳しい冬を追い出して春を呼び込む民俗行事でした。

冬から春に移り変わるこの時期に冬の悪霊追放、災害をもたらす精霊たちを威嚇するために変装や悪ふざけをしたり、あるいは社会的身分やタブーの境界線を消し去り、混沌としたカオスを作り出すことによって象徴的な「死=冬の象徴」を再現し、冬を追い出して(見送って)太陽を呼び戻し、植物が再び目覚める春を迎え入れることを目的とした原始的な行事だったと考えられています。


※※※



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by Ethno-PATISSERIE | 2017-04-08 21:00 | ⑤Bourgogne | Trackback | Comments(2)
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Commented by M at 2017-04-10 06:00 x
カルナヴァルのお話と、ガルゲスという揚げ菓子のお話。
興味深く読ませていただきました!

パレ・ル・モニアルの友達とブレスト出身のエレーヌは、
カルナヴァルには、クレープを食べてました。
ポーの隣のレスカー出身のアランは、ベニエを食べてますね。
やっぱり、住んでいるところや出身で違いますよね。

Roiboit さんの作ったガルゲス、美味しそうですね。
ほぉ、ディジョンでは、ファンてジーと言うのですか。
イースト菌を加えたりとルセットも様々なんですね。
ガルゲスの語源も深いですね。面白かったです。

いろんなところのガルゲスやベニエ、クレープを食べて回りたいですね!
Commented by Ethno-PATISSERIE at 2017-04-10 20:50
Mさん
コメントをありがとうございます!
大人になって別の地域に住むようになっても、やはり子供の時に食べていたものを食べるのでしょうね。

私はリヨンに居た頃食べていた、カリカリタイプのビューニュが今でもやっぱり好きです^^
でも、他の地方のも色々食べてみたいですね~♪
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