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Carreaux de Ponchon et fèves ;ポンションのタイルとフェーヴ

PonchonはPicardie地方Beauvais(パリとアミアンの中間)から南に10kmほどの所にある
人口千人余りの小さな村。
この地方は元々陶器生産が盛んなところでしたが、この村では1824年から1920年のおよそ1世紀の間8つの製作所により沢山のタイルが生産されていました。
ナポレオン3世の構想に沿り、セーヌ県知事であったオスマンが1852年から1870年にかけて行った「パリ改造計画」と、水道施設が行き渡ったお陰でタイルの需要が高まったことがこの村のタイル生産を活気付けた大きな要因でした。
Givernyにあるモネの家のタイルもPonchonのもの。

b0189215_17484756.jpg1981年に近くのNoaillesにアトリエを構えたセラミストSylvie ThémereauさんはPonchonで伝統のタイル作りを受け継いでくれる人を募っていたのがきっかけで89年、ここへ引っ越してきました。
伝統的なタイルのモチーフを集めたり、村の人たちの協力もあって、かつて作られていたタイルを再現したり、注文で装飾的なパネルの作成や器などの作品を作っています。
昨年彼女のアトリエを訪れる機会がありました。
彼女の作った小さなタイル形のフェーヴに出会ったのがきっかけです。
お宅でお昼をご馳走になりましたが、アーティストらしい素敵なお部屋にうっとり。
お借りしたトイレにはヴァカンスで行った思い出の砂浜の砂が試験管に入れて素敵に飾られていたり…♪
↑ アトリエの看板 近郊ではレンガや瓦も作られていたため レンガ造りの建物が多く見られる

アトリエは別棟でショップも兼ねています。
そこでタイルの型染めの方法などを見学させて頂いたり、作品を見せていただきました。
白い釉薬に主に青い連続模様のモチーフがここの伝統的なタイルの特徴。

ここでの一般的なタイル作りの過程
素焼きのタイルに白い釉薬を掛けて焼成。
ステンシルの要領でPochoirを使って彩色。
(タイルによってはこれに線描きを加えたり、別の色を描き加えることもある)
もう一度焼成して色を定着。


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↑ 素焼きのタイル            Pochoirをのせて花びらの部分を色付け  Pochoir部分完成

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↑ 棒を使って線描き & 点描き                             彩色完成

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↑ 古いタイル             裏にはマークが入っていて製作した所が分かる  かつて使われていたPochoir

b0189215_21321861.jpgフェーヴは村のパン屋さんの注文で5年間だけ製作。
所有者が代わり注文が無くなった為作らなくなったのですが、とても手間がかかるので余程のことが無い限りもう作るつもりは無いといいます。

                                   → タイルとフェーヴ

b0189215_21471466.jpg「おばあちゃんのうちにあったタイル」というノスタルジーを感じるせいか
この村以外でもPonchon風のタイルを作っているところがあり、
また同様のタイル風フェーヴを作っているところもありますが、やはり女性らしい繊細さと手作り感のあるここのフェーヴとは別物だと言えるでしょう。
もう作っていないのがちょっと残念。

← 店に飾ってあるPonchonタイルを使ったレンジ


彼女の作品はなにか日本的なものを感じさせるところがあって親しみ深く感じます。
都会ではなくても両親が共働きで家に誰もいない家庭も多いとか。
学校帰りの子供たちも気軽に立ち寄れる雰囲気は近々予定しているアトリエの改装後も変わらないことでしょう。

住所など…
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by Ethno-PATISSERIE | 2009-08-17 22:29 | fève工房 | Trackback | Comments(4)

St Yrieix La Perche ;サン・ティリエ・ラ・ペルシュ のマドレーヌ

b0189215_18232277.jpgリモージュの南、電車で40分程の所にあるSt Yrieix La Percheサン・ティリエ・ラ・ペルシュは自然の産物と歴史に恵まれた町。
町の起源は5千年以上前、ブルターニュと地中海を繋ぐ「金属の道」があったガリア時代に遡り、この地の豊かな鉱物資源、錫・鉛・銀・金がこの道を通って各地に運ばれていた他、水資源・木材等にも恵まれていた為に自然と人が集まり、古くから栄えていた町です。
1768年、硬質磁器を作るために重要なカオリンが発見された町でも
あり、それによりSèvres;セーブルにあった王室陶器製造所において
フランス最初の硬質磁器製造に成功しました。
↑ 立派なHôtel de Ville;市役所

b0189215_18305895.jpgマドレーヌがこの町のスペシャリテであることを知ったのは
初めてリモージュを訪れた2000年のこと。
この地方の特産物を扱う店で見つけたのがきっかけでした。

中世の時代サン・ティリエはスペインのサンチャゴ・デ・コンポステラへの巡礼路上重要な休憩地であり、帆立貝が巡礼者の印であったことから「マドレーヌという名前の娘が帆立貝の殻で焼いたお菓子を巡礼者たちに配っていた」と言う逸話もありますが「19世紀中頃にコメルシーから来た、あるコンパニヨン・パティシエによって作られた」という話も聞きます。
                                             ↑ 道路に埋め込まれた帆立貝マーク

b0189215_21571483.jpg町外れに工場があり、マドレーヌを製造している「Bijouビジュー」は
1845年Antoine Dubois氏によってbd. de l'Hôtel de Villeに創業された
パティスリーで、ショコラ・ノワールをかけたMadeleinettes(ミニマドレーヌ)がスペシャリテでした。(彼の息子、Pierreが工場化を推し進めて1970年に移転、現在は孫のJean-PhilippePierre-Louisが跡を継ぎ、約140人の従業員を抱えるまでになっています。)
← 「Bijou」の宣伝用Pins。土地柄磁器製のものも♪

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↑ Bijouの看板             工場直売所入り口           店内

L’inventaire du patrimoine culinaire de la France Limousinという本の中では「1931年のGuide UNAで、1840年創業のMaison PaublancがMadeleine de Saint Yrieixの創作者」となっていますが、観光局のパンフレット等では現在町のパティスリー等で販売されているマドレーヌは「1894年に創業したパティスリーのPierre Aublancの跡を引きついだもの」とあり、Paublancについては触れられていません。
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↑ Le Croquembouche       Pomminetteの看板          リモージュ焼きのマドレーヌ

かつてAublancの店があったと言われる場所にあるパティスリー「Le Croquembouche」のAlain Ponthier氏によれば、この店は1892年創業、彼が買い取った後、改装中に壁の中から「recettes des Madeleines Aublanc」とMadeleine limousineの創作者で1900年Aublancのシェフ・パティシエだったM.Vidalのルセットが書かれた
書類を発見して、大変驚いたといいます。
実際に拝見させて頂きましたが、手書きで丁寧に作り方が書かれており、Aublancの文字がはっきりと分かります。(PaublancというのはP. Aublancの間違いだったのかな?とも思えます)

b0189215_21353869.jpgMadeleines de St Yrieixの特徴はビターアーモンドで香り付けされていること、最初「Bijou」で販売されていたのがMadeleinettes;
マドレネットであることからサイズは大小の2種類あって、チョコをかけているものもあることでしょうか。


→ [La Cerise sur le Gâteau]のmadeleinettes
Ponthier氏の店ではLimousin地方の特産であるリンゴの香りを付けたPomminette;ポミネット(リンゴ濃縮果汁使用の小さいマドレーヌ)も販売しており、リモージュ焼きで作った大きなマドレーヌ形の容器(長さ:21cm,幅:15 cm,
高さ:15 cm。これにマドレーヌを入れて販売)を考案するなど、非常に独創的!
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↑ Ponthier氏によるPomminettesの実演


b0189215_21464193.jpgb0189215_21472162.jpgBijou」の他にもマドレーヌを製造販売している工場「Boule d’or」があります。
(以前はこの町にあったがSaint-Maurice-les-Broussesへ移転した「Madeleines Bébé」もある)

← 「Boule d’or」&店内

結局のところ実際の歴史解明までは至りませんでしたが、「Le Croquembouche」を始めとする多くのお店で
マドレーヌが見られ、町ぐるみで愛されているお菓子であることは確か。
生産数では負けるかもしれませんが、これを作っている店の数を比べるとCommercy;コメルシーよりも多いかもしれませんね。

お店の住所はこちら
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by Ethno-PATISSERIE | 2009-08-12 22:54 | ⑭Limousin | Trackback | Comments(6)

Limoges;リモージュにある古い窯

b0189215_15262266.jpgかつてリモージュの町には数多くの窯があったそうですが、今日まで残されているのは5つのみなのだとか。
そのうちの1つがLaplagne;ラプラーニュの窯で、その近くにあるマンションの敷地内にはRaynaud;レイノー社の古い窯が保存されています。

← Raynaudの窯
b0189215_15392919.jpgそしてVienne川の近くにある「Royal Limoges」;ロワイヤル・リモージュの工場には1904年に作られた大きい窯「Four des Casseaux;フール・デ・カッソー」が残されており、見学可能(有料)

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← Royal Limoges 
窯はこの建物の左奥

直径7,75m、煙突まで含めると高さが21mにも達する大きな窯です。
型や道具などの展示の他、「Ducongé家のMme.Annick Lagardeからの寄贈」ということで、沢山のフェーヴが
展示されていました。
まさかここにフェーヴがあるとは知らなかったので、ビックリ!
(探せば他にもこのような展示をしているところがあるんじゃないかと思えてきます)
予約をすれば(10人以上の団体のみ)実際に稼動している製陶所を見学することも出来、駅や街中からも遠くないので、磁器に関心のある人にはお勧めです。
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→ リモージュのLes Halles(屋内市場)の上部はリモージュ焼きの装飾板で飾られている。
他にもHôtel de Villeの噴水等、他にもこのような装飾を施したところがある

有名な「Musée Adrien Dubouché」も素晴らしいですが、こういう見学も楽しいものですね♪

Four des Casseaux
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by Ethno-PATISSERIE | 2009-08-01 16:19 | ⑭Limousin | Trackback | Comments(4)