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日本のオリジナルフェーヴ

今回は日本でオリジナルのフェーヴ(日本製)を使っているお店+α をいくつかご紹介したいと思います。

まず最初は「fraoula フラウラ
b0189215_20361084.jpg「シェフ自ら手作りしたフェーヴ」というのはココ以外
聞いたことがありませんので最も珍しい、
貴重なフェーヴと言えるのかもしれません。

東京世田谷の「フラウラ」では、桜井シェフのお手製
フェーヴがガレット・デ・ロワに別添えされています。
1つ1つにシリアルナンバーが刻印してあるところも
またいい感じ。
今年初めて購入できたので持っているのは2010年の輪っか形フェーヴのみ。
何をイメージされたのでしょうね。

b0189215_20394795.jpg 過去のフェーヴは2007年がマカロン、2008年が円形でヤドリギのレリーフ、2009年が円形でサクランボのレリーフ。どれも白いのが特徴的。
残念ながら、以前のフェーヴはどんなものだったのか分からず…。
(どなたかご存知の方、教えていただけると嬉しいです♥)

→ 今年のフェーヴ


次は東京吉祥寺の「Pâtisserie A.K Labo パティスリー エーケーラボ
b0189215_20583914.jpg2007年からオリジナルフェーヴを作っています。
セラミックデザイナーのMOEさんが作るフェーヴは
少し大き目の空豆形。色や文字等が毎年変わります。
全種類のフェーヴが箸置きとして使われているお蕎麦屋さんがあるのだそうで、確かにぴったりの大きさ!

b0189215_22413767.jpgb0189215_22431113.jpg→ 左が2010年、右が2008年のフェーヴ

b0189215_1518516.jpgb0189215_1519814.jpg← 左が2007年、右が2009年の
フェーヴです。
MOEさんに写真をご提供いただきました。
有難うございます!
カワイイー♪


そして沖縄の「Atelier de pâtisserie naruru Okinawa アトリエ ドゥ パティスリー ナルル オキナワ
陶磁器の製造販売をしているdeccoさんが毎年制作しているとのこと。
2010年はピーナッツの莢形。2008年はボタン形でいずれも白いフェーヴです。
こちらのガレットはまだ買ったことがありませんので、写真はありません。naruruさんのブログから写真をご覧ください。
来年はぜひ買わねば!です。

こちらもまだガレットを買ったことは無いお店ですが、
千葉県の「Le jardin du Soleil ル・ジャルダン・デュ・ソレイユ」では砥部焼の工房で作られています。
b0189215_21304596.jpg2009年と2010年と同じ黄色いフェーヴ(写真左)
2008年(写真中)と2007年は青く四角いもので、
Fの文字が入っています。
1つ1つが同じ形ではなくてアバウト。
そして2007年の方が大きめになっています(写真右)。

最後に日本での扱いはありませんが、日本製のフェーヴを使っているのが「TORAYA Paris とらや パリ店」。
b0189215_215143.jpg初めてフェーヴを作った2008年はリモージュ焼で有名なBernardaud;
ベルナルドー社製)でした。(ベルナルドーに依頼したのはパリでお店同士が近所にあり、以前から交流があったことがきっかけのようです)

b0189215_2149937.jpg翌年の2009年と2010年は共に日本製。
愛知県のceramic japan セラミック・ジャパンという会社が
製造しています。
2010年は「好文花」という新春の和菓子、
2009年は「兎饅」を象ったものでした。
来年はどんな和菓子になるのでしょうね。楽しみ♪
b0189215_21595166.jpg
→ 2009年のフェーヴとモデルになった兎饅


またお菓子屋さんがガレットに入れて(又は別添え)いるものではありませんが
galerie doux dimanche ギャラリー・ドゥ-・ディマンシュ」という雑貨屋さんのフェーヴ、こちらも日本製です。
フェーヴに詳しい方は同じデザインのフェーヴを見たことがあるかもしれません。
b0189215_22335515.jpgMoyet-Perrin(Aria)社がエッフェル塔完成後(1889年)、100周年を記念して作られたフェーヴが元になっていますが、古いフェーヴを参考にしたものの、どこのものかは
ご存じなかったとか。
長崎県にある西海陶器株式会社が制作した、波佐見焼の
白くて美しいフェーヴです。
このお店ではフランスを中心としたクリエーターの作品が扱われていて、その中には以前エルメのフェーヴをデザインしていたtsé&tsé(ツェツェ)のものも♪ 
またフェーヴを作って貰えたら最高なんだけれどなぁ…。

↑ 赤い紐の結んであるのが日本製のフェーヴで、それ以外はMoyet-Perrin
 


b0189215_22244945.jpgそれから、陶芸作家の北原裕子さん
西荻窪の「galerie non」さんからの依頼で2007年初からフェーヴの制作を開始。1つ1つ手作りされた温かみ溢れる作品です。
現在ではこのお店の他、神保町の「AMULET」、吉祥寺の「横丁ギャラリー」でも販売されているそうです。
古いフェーヴをイメージして作られたとのことですが、
彼女の作品にはそのままフェーヴに出来そうな小さな作品も沢山あってワクワクします。


こういうフェーヴが実際にガレットの中に入っていたら素敵ですよね~。
(自分でガレット焼く時に入れるのも楽しい♪)

こうして挙げていくと、地元の陶芸作家さんや工房に作ってもらったオリジナルの日本製フェーヴを使っているお店が他にももっとあるんじゃないかと思えてきますし、今後増えるといいなぁと期待しています(見つけたら教えてくださいね♪)。
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by Ethno-PATISSERIE | 2010-08-22 22:51 | feve | Trackback | Comments(8)

フェーヴ工房見学 Nigon ; ニゴン

b0189215_21521234.jpgSavigniesにあるJean-Luc Nigonさんと
Monique LesbroussartさんのPoterie
(陶器工房)を訪れたのは2008年11月のこと。
(以前に書いたPonchonと同日)




→ こちらがNigonのフェーヴたち♪
大きめで優しい色合いの、とても親しみ深い
フェーヴです


パリから北北西へ電車で1時間余り。
向かうBeauvais はPicardie地方Oise県の県庁所在地でこの辺りはPays de Bray picardと呼ばれ、
かつて製陶が盛んだった地域です。
Beauvaisの駅まではMoniqueさんが車で迎えに来てくださいました。
道すがら、ここはレンガを専門に作っていた町、こちらは土管を作っていた村などの説明を聞き、地域全体が焼き物で
成り立っていたことがうかがえます。

b0189215_2002059.jpgお宅は木組みで手入れの行き届いたとっても素敵な家で、昔からある典型的なスタイル(瓦は陶器)。
朝早めの到着だったのでご自宅のサロンでお茶を飲みながら、この街の製陶業の歴史やお2人についてお聞きしました。

彼らの工房があるSavigniesでの陶器製造の起源は太古に遡るともいわれています。
中世の時代に一時廃れ、14世紀からその名声が知られるようになります。16世紀には40ものアトリエが存在し、
19世紀初頭まで製造の中心地となっていたそうです。
その後陶土の供給が難しくなり、需要も減った為1909年に最後の工房がその製造を止めました。

b0189215_2083017.jpgJean Louis Nigon氏はそんな製陶業者を先祖に持つ人で、学校でこの仕事を学んだ後1970年、ここに自分のアトリエを開きました。新しい手法を使ったオリジナル作品を作る半面、この地に伝わる古い炻器の複製も作っています。
Monique Lesbroussartさんは偶然にもNigon氏と同じ学校を出たそうで、Somme県にあるPoterieのアトリエに10年間いて技術を習得した後、自分自身の作品を創造する為
1986年、Nigon氏のアトリエに加わりました。

→ 古い蜜蜂の巣籠が飾ってありました♪ 


フェーヴをつくりはじめたのは1992年から。村にあるパン屋の為に作ったのが最初です。
今までに110種類ものフェーヴが作られているそうです。

ここで工房へ移って簡単に作り方を説明してくださいました。
b0189215_2030273.jpgまずBois des Fossesへ陶土を掘りに行くことから
始まります。
2週間ほどかけて石やその他不要なものを取り除いて
ピュアな陶土にします。
灰色と茶色の2種類の土がありましたが、焼成する際に耐えられる温度が違うと説明してくださいました。


←手前が精製前の土で、左の丸いのが出来上がった陶土 

フェーヴ用の型は1つずつ石膏で作られたもので、これに陶土を空気が入らないように詰めて表面を平らにならしロゴのスタンプを押してから、別の陶土を使って、その粘着力を利用して取り出します。
b0189215_20453869.jpgb0189215_2039521.jpgb0189215_20413045.jpgb0189215_20423474.jpgb0189215_20441058.jpgb0189215_2046449.jpg
これを乾燥させてから850~1000℃の窯で8時間程焼成、釉薬をかけてもう1度1000℃近い温度で焼いて完成。

アトリエを作る等の改装時に、かつて窯のあった跡や作られていた陶器が沢山出てきたとか。
敷地内も土を掘れば陶器の欠片が今でも出てくるそうです。
納屋にはそんなコレクションと、季節がら自宅のリンゴ園で採れた様々な古い品種のリンゴが並べられていました。
b0189215_2051496.jpgb0189215_20525765.jpg
古い陶片から古いテクニックを再発見することもあるのだそう。新旧のテクニックにNigonさんのセンスが加わって独自の陶作品がつくられているのですね。

b0189215_20552422.jpgまた、ここの外壁はとても特徴的。
この辺で作られていたレンガや土管、シードル用瓶等の商品にならないものを再利用して作られていたことが分かります。
しかも模様のように美しいので、ブティックの壁は外の壁が利用されていました。

b0189215_20572870.jpgNigon氏がろくろを使って作品を作る一方、彼女はmodelage;手びねり。ブティックにはそれぞれの作風がしっかり伝わってくる素敵な作品が沢山飾られていました。作品が欲しくなってしまう気持ちを抑え、自分用にフェーヴを選びました。
(少しにしようと思っても色違いがあるのでつい増えてしまいます)


← NigonさんとLesbroussartさん 


b0189215_2153425.jpgロゴのスタンプはアトリエで2種類見せていただいたのでこれだけだと思っていましたが、同時期にNigonを訪れていたというMonique Joannèsさんに後日フェーヴのサロンでお逢いした際 「実は初期にLesbroussartさんが作ったフェーヴには手書きでm Lと書いたものがあるのよ」と聞いてビックリ。
*Monique Joannèsさんについてはこちらを参照ください。

→ 見せていただいたスタンプ2種

b0189215_2110553.jpg ← 左上が「m L」と手書きしてあるものです。
見えますか?

彼女からそのサイン入りのフェーヴを買ったという後日談まであった、楽しい訪問でした。

(取材;2008,11,14)
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by Ethno-PATISSERIE | 2010-08-13 22:09 | feve工房 | Trackback | Comments(4)