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日本で最初のガレット・デ・ロワは?

フランスをはじめとするヨーロッパにおいては、13~14世紀にこのお菓子の記述が残されているようですが、
日本でガレット・デ・ロワが最初に販売されたのはいつだったのか?」が気になって
以前調べたことがありました。

ネットで検索してみると、同じようなことに注目しているサイトを1つだけ発見。
ワンダフルハウス」というサイトで、とても興味深く拝見しました。
b0189215_20593569.jpg1963年、ホテルオークラ(1962年5月開業)より
シェフ・パティシエとして招聘されたルコント氏は1968年12月17日六本木に「A.ルコント」を
オープンします。

ワンダフルハウス」さんにお尋ねしてみると
翌年1969年1月にこの店でガレット・デ・ロワを販売したことは、当時同店で修行していた
島田進氏が証言している
」とのこと。
また証言は無いまでも、それ以前にオークラで
作っていた可能性は大いにあるということです。
(このように日本のフランス菓子史に重要な役割を果たしていたお店の閉店(9/26) はとても残念!)
↑ こちらは内容とは全く関係のない(笑)メゾン・フェルベールの焼き立て「ガレット・デ・ロワ」


更に「ワンダフルハウス」さんのサイトでは、婦人画報1973年7月号で作家の加賀乙彦さんが書いた
フランス菓子こそわが青春」の文中にガレット・デ・ロワについて言及されていることを取り上げています。 
この中では「東京カド」の創業者で、日本人として初めてパリへ菓子留学をした高田壮一郎氏のことが
描写されています。

パリから帰国後の1960年、東京駒込にオープンした彼のお店で「ガレットが作られていた」ことは大いに考えられると思い、お店に問い合わせると高田壮一郎氏のご子息で現在「東京カド」代表取締役の高田夏生氏より次のような
とっても丁寧な返信を頂きました(感謝!)。

母(会長)に聞いてみたところ創業から間もない頃に作っていたようで、時期になると店頭で販売していたそうです。当時は行事自体が知られておりませんでしたから、ガレット・デ・ロアの知名度も低かったようです。ですが、その頃のカドは『日本では知られていないフランス菓子を売る店』と それなりの注目を集めていたそうで、フランス渡航経験のある方や、フランス人のお客様には大変喜んでいただけたようです。資料が残っていないため、何年頃に製造していたかが分からずお役に立てず申し訳ありません。

東京カドの創業から間もない頃に既に作っていたということは(あくまでも想像にすぎませんが)ルコント氏よりも
早い時点で製造していた可能性が大きいようにも思えます。

一方、神戸で1905年「藤井パン」として創業した「ドンク」では、フランスで1年半の菓子修行していた高橋哲夫氏の
帰国後、1965年1月に陶器のフェーヴを焼き込んだパイ生地のガレット・デ・ロワを販売しています。

b0189215_2116446.jpgこれより以前にも日本に住んでいるフランス人、特に家族連れの方々や飲食関係に職を持つ
フランス人であれば、自らガレットを作ることも
あるのではないかと思うのですが、記述されているものは見つからず、特定するのはなかなか難しい…。
実際図書館で古いお菓子の本や日本のお菓子屋さんの歴史について書かれた本を調べても
ガレット・デ・ロワの記述を見つけることは
できず…。

→ 再び関係のない(^^;)メゾン・フェルベールのガレットから出てきたフェーヴ。
パリ・ブレストでした~♪
 


戦後、神戸にあったフランス領事館に勤めていたおばによれば「パイ生地を使った料理やお菓子は作っていたけれども、ガレットやエピファニーのことは知らず、お祝いもしたことは無かった」そうです。
クリスマス時期の領事夫妻は他の領事館等に招待されて出掛けることが多く、子供たちと家族でお祝いをする時間はなかったと言います。
戦後とはいえ、日本在住で金銭的には余裕があると思われるフランス人でも、まだこの時代にはクリスマスや
エピファニーを家族でゆっくりお祝いできるような環境ではなかったのでしょうか。
(領事という特別な立場だったからかもしれませんけれど…)

戦前にも作られていたかどうかは分かりませんが、アンドレ・ルコント氏が当時の伝統的なフランス菓子を日本に
伝えた頃、日本でガレット・デ・ロワも作られはじめ一般にも販売されるようになっていた、と言うことは確かなようです。
少なくとも「日本で現在みられるガレット・デ・ロワに直接つながる流れは、1960年代に始まった」と
言えるのかもしれません。

因みに私の初ガレット(とは言っても食べたわけではなく…出会っただけ^^)は、中学生になりお年玉を貯めてオーブンを買った頃に購入した今田美奈子さんの「お菓子の手作り辞典(1978年)」という本の中にあった、王冠を被せた
ガレット・デ・ロワ」(フェーヴはLimoges-Castel製)でした。
作り方のみならず、お菓子の歴史や逸話等が豊富にのっているこの本は、ライフワークとして地方菓子の歴史や由来に焦点を置き、現地取材を続けている現在の私を運命づけた1冊と言えるのかも♪


<お願い>
*もし1960年代以前に販売されていたことをご存じの方、記述のある本・雑誌その他情報をお持ちの方がいらっしゃいましたらご一報いただければ幸いです。どうぞ宜しくお願いします!
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by Ethno-PATISSERIE | 2010-09-28 22:01 | gâteau des rois | Trackback | Comments(4)

日本で買えるオリジナルフェーヴ付きガレット・デ・ロワ

先日オリジナルフェーヴのガレットが買えるお店を尋ねられましたので、今年食べた17種類のガレットの中から
オリジナルフェーヴだったもの(前回紹介したものを除く)を中心にいくつかご紹介させて頂きたいと思います♪

ドンク(神戸で購入)
2008年,2009年,2010年の各年、切手形フェーヴが使われています。フランスパン袋等をデザインした
フランス人デザイナー、クロード・ヴァレンヌ氏によるもの。
b0189215_14145497.jpg2006年、2007年はバゲットとワインボトルを持った男性のイラストを
レリーフにした白いフェーヴでした。ドンクに問い合わせたところ、この男性は社内では「ムッシュ・ドンク」と呼ばれているそうで『ドンクのキャラクターエンブレム』なのだと教えて頂きました。
元々『ヴァレンヌ氏が昭和30年代後半、包装紙やメニュー等のデザインとなっている「パリの風景」を描く中で、フランス食文化の象徴である
「フランスパン」と「ワイン」を持ったキャラクターを度々登場させていたのが始まり』だったとか(なるほど♪)。
↓ 左が2010年、右が2008年(09年は買えず)
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b0189215_163111100.jpgb0189215_16394667.jpg← これが2006年&2007年のフェーヴとその元のになっているイラスト(看板を撮影)

ジョアン(東京で購入)
b0189215_17102065.jpgジョアンはドンクがパン職人ローラン・ジョアン氏とともに立ち上げたブランドで(1983年銀座三越に1号店オープン)全国に16店舗あります(何故か関西には店舗はありません)。
ドンク同様2006年からオリジナルフェーヴを作っていますが、こちらの方がデザインに凝っている感じ。
こちらから2010年までの全フェーヴ画像が見られます。

Sadaharu AOKI(ガレット友達が東京から送付)
b0189215_17282657.jpg以前は四角いロゴのオリジナルフェーヴやオリジナルではないものも
使っていましたが、昨年から再びオリジナルになりました。
アオキのガレットに使われるパイ生地は、パリでエシレバターを使って仕込んだもの。今年はスタンダードなガレットとgalette des rois mâcha azuki(抹茶風味のクレームダマンドに小豆を加えたものが
入ったガレット)が販売されていました。
昨年はエクレア形フェーヴ4種類、今年はマカロン形フェーヴ5種類。
いずれも裏にお店のロゴとお菓子の名前、年が明記されており、
小さめで繊細なつくり。来年も楽しみ~♪

b0189215_21145465.jpgb0189215_21175336.jpg

今年はレストランのガレットも購入。
La Tour d'Argent
b0189215_23325055.jpgニューオータニにあるレストラン「ラ・トゥール・ダルジャン」では昨年から
オリジナルのフェーヴを制作。
2010年は12月26日から予約開始、販売は1月3日~31日(月曜除く)まででした。
テイクアウト以外に1/8~2/3に行われた「ソムリエディスカバリー2010」の
デザートにもガレット・デ・ロワが出されていましたが、こちらに入っていたのはオリジナルではない、サントンフェーヴを使っていると教えて頂きました。
また本店でも同じフェーヴが使われていますが、ガレットだけの販売は
行っていません。
b0189215_16384118.jpgb0189215_16353686.jpg ← お店のサロンに置いてあった
リモージュ焼のcendrier;灰皿をふと裏返したらブログに書いたLaplagne製でした♪ ♪



他には定番の
Jean-Paul Hévin(ガレット友達が東京から送付)
Pierre Hermé(ガレット友達が東京から送付)
Fauchon(難波の大阪高島屋で購入)
Dalloyau(心斎橋店で購入) 
 今年フェーヴは金色・銀色の2種類ありましたが、日本では金色のみの取り扱いでした。
Paul
を購入。


購入しなかったものでオリジナルフェーヴ入りは
Ladurée
Maison Kayser
でしょうか…(他に見落としているお店があるかも)。


ガレットは買わなかったけれどフェーヴだけ買ったのは
W.Boléro(ドゥブルベ・ボレロ)
b0189215_22483692.jpg滋賀県にお店のあるボレロさんは今年アイアシェッケ(チーズケーキ)形のオリジナルフェーヴを制作。
これがガレットに入っていた方にはフェーヴのモデルになった本物のアイアシェッケを1本プレゼントするという企画をしていました。
これを知ったのは販売が終わった後でしたのでフェーヴのみ購入。

また神戸の「イグレック・プリュス」では
ガレット・デ・ロワと一緒にフェーヴ(セット販売のみ)も販売しているのですが
昨年(2009)Prime社のお菓子シリーズのフェーヴ裏面にロゴを入れてもらったということで
今年はセール価格でちょっぴりお買い得になっていたこともあり、地元ということで買ってしまいました^^
(まだロゴ入りは残っているようですが、次回は是非オリジナルフェーヴを作っていただきたい!)


ロゴ入りのフェーヴと言えば、東京千歳烏山にある「ラ・ヴィエイユ・フランス
b0189215_1616833.jpg開店後初めてのガレットを買いに行った際(2008年)
福岡の「パティスリー・フレ」時代に使われていた「FRAIS」の
ロゴ入りフェーヴを購入。
b0189215_16122970.jpgb0189215_16192054.jpg
ついでに木村シェフが働いていた、今は無きパリの「La Vieille France」のフェーヴを(写真右がそれ) ↑

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by Ethno-PATISSERIE | 2010-09-06 17:01 | fève | Trackback | Comments(2)