<   2012年 03月 ( 6 )   > この月の画像一覧

「Carême ;カレーム」と「Mi-Carême ;ミ・カレーム」、そしてそのお菓子

Carême ;カレーム(四旬節)」とは、カトリック教会においてPâques ;パック(復活祭)の46日前の水曜日
Mercredi des Cendres ;メルクルディ・デ・サンドル(灰の水曜日)に始まり、復活祭の前日(聖土曜日)に
終わる期間のこと。
イエスの復活を記念する日曜日は数えないので40日間となり、元々はラテン語で「40」を意味する
Quadragesima ;クアドラジェジマ」という語で呼ばれていました。

イエス・キリストの受難と死は人の罪をあがなう為と考えられ、四旬節はキリストの苦しみを分かち合う節制期間とされ、かつては肉、卵、乳製品の摂取が制限されていました。
*2012年のカレーム(四旬節)は2月22日―4月7日)

この節制期間前のカーニヴァル期間(エピファニーの翌日からマルディ・グラまで)には逆に、卵や牛乳を
たっぷり使ったお菓子、beignets ;ベニエCrêpes ;クレープGaufres ;ゴーフル等が食べられます。

四旬節のお菓子と言うとEchaudés ;エショデなど、卵・牛乳等を使わないお菓子が基本になりますが
例外とされた日がありました。
それが「Mi-Carême ;ミ・カレーム(四旬節中日)」のお祭り。

Mi- ;ミ・」が「半分、半ばの」を意味する通り、灰の水曜日から数えて20日目(日曜は数えない)、
3週目の木曜日に当たります。
*2012年のミ・カレーム(四旬節中日)は3月15日。

この日を祝うお祭りは中世に遡り、厳しい節制期間に「もう一度マルディ・グラのようなお祭り騒ぎを楽しみたい!」と言う願いから、期間の途中に中休みを作ったのだとか。

しかしその起源は古代ローマ人が祝っていた「Anna Perenna ;アンナ・ペレンナの祭り」だと言います。
*老婆の姿で描かれる古代ローマの「年めぐり、新年の女神」。Annaは「annus(年)」の女性形で、Perenna は「永久」を意味する。彼女の祭りは3月15日で、この日は無礼講が許され、酒杯を重ねてその年の幸せを祝ったという。


マルディ・グラの時と同様に、卵・牛乳をたっぷり使ったベニエやクレープ等を食べることが許される日。
仮装をした人々の行列や山車、祝宴が催されて、しばし羽目を外すことのできる日でした。


カーニヴァルの時に食べるお菓子と同じものがミ・カレームでも食べられていたので、特に「ミ・カレームのお菓子」と言うものはありませんが、「ミ・カレームの時に(も)作られる」という記述のあるものを探してみると、主にPays de la Loire地方圏で見られるBottereaux ;ボトロー
Poitou-Charentes地方圏北部のTourtisseaux ;トゥルティッソー
Vendée県の北東部にあるbocageと北西部のMarais breton vendéeと呼ばれる辺りの
foutimassons ;フーティマッソンというベニエが出てきました(地域はあくまでも大まかな目安)。

これらのベニエは地域によって呼び名が変わり、作り手によってルセットも形(菱形、四角形、長方形…)も様々なので、違いを明確にすることは難しいのですが、多くの場合が発酵生地を使い、一般的にボトローと
フーティマッソンはラムやオレンジ花水で香り付け、トゥルティッソーはバターが多めでコニャックやオードヴィーで香り付けされます。
また、ボトローにはバターを折り込んだBottereaux feuilletés;ボトロー・フイユテもあります。

この中で私が実際に食べたことがあるのはNantes ;ナントのパン屋さんで買ったボットローでした。b0189215_21455537.jpgb0189215_21474020.jpg










↑ 大きめでふっくらした菱形をしていて、とても柔らかく、中が空洞!


現在でも実際にミ・カレーム祭がおこなわれているのはフランスと旧植民地の1部地域。
そしてナントは今でも「Carnaval de la Mi-Carême ;カルナヴァル・ドゥ・ラ・ミ・カレーム」が行われています。
*2012年度、昼のパレードは4月1日、夜は4月7日に開催

参考までに・・・
1964年の画像
CARÊME À NANTES  Télé ouest panorama -

2010年の画像



今回は「Bottereaux feuilletés;ボトロー・フイユテ」を作ってみました。
普通のボトローよりもサクサクと歯ごたえがよくて美味しい~(因みに普通のボトローは外カリで中フワ)
生地は甘くしていないので粉砂糖を振らなければ塩味でもOKです。
b0189215_22112688.jpg


ルセットも材料はほぼ変わりませんが配合が色々あって、出来あがりも様々。ベニエはやっぱり面白い♪


※※※


にほんブログ村 スイーツブログへ
にほんブログ村 旅行ブログ フランス旅行へ

[PR]
by Ethno-PATISSERIE | 2012-03-24 22:45 | キリスト教 行事 | Trackback | Comments(2)

アテネ・フランセ 特別講座「ガレット・デ・ロワを楽しむ」

今年1月のお話(かなり古い話題です^^;)

1月18日に東京御茶ノ水にあるフランス語学校の「アテネ・フランセ」で
                      ~フランスの伝統菓子~
                     ガレット・デ・ロワを楽しむ
という特別講座が行われるのを知り、ちょうど東京滞在中の期間だったので申し込んでみました♪

1度だけ、知り合いにここの地下で行われた物産展へ一緒に連れて行った貰ったことはありましたが
かつてフランス語教室に(短期間だけ)通っていたのが飯田橋の東京日仏学院の方だったので、
ここで授業を受けるのは初めて。ちょっとドキドキ~^^


アテネ・フランセでガレット・デ・ロワを取り上げた講座は今回初めて。
とっても人気が高かったらしく、教室の中には定員50人のところ60人近くの受講者が集まっていました。
担当して下さる講師はとーってもチャーミングなアンジェリーク・コラン先生♪
語学レベルには関係なく募集されていたので、初心者にも分かりやすく日本語も交えての講義です。

前半は教室でガレットやフェーヴについて歴史(とっても詳しくしかも簡潔にまとめられていて素晴らしかった!)や
映画「シェルブールの雨傘」に出てくるエピファニーの食卓シーンを見ながらガレットを食べる習慣についての説明、
そして今年のフェーヴの紹介(スーパー モノプリのフェーヴは「kimmidoll」というこけし形のキャラクターで
それぞれの人形に名前とlove等の意味があるらしい。買ったガレットに真っ白なkimmidollが入っていると
週末旅行が120名に当たる!なんて話も
)等もあって、なかなか充実の内容でした。
b0189215_10415584.jpg
                            ↑ テキストは勿論フランス語

後半は地下に移動し、6テーブルに分かれて、同フロアにあるLina’s Sandwichi Caféで特別に作られた
焼き立てのガレットを人数分に切り分け、シードルと共に試食。
b0189215_1044991.jpg
                           ↑ ガレットにはシードルが定番♪

勿論ガレットにはそれぞれフェーヴも1つ焼き込んであって、当たった人には王冠が載せられ
皆からの祝福を受けたのでした^^
b0189215_1048371.jpgb0189215_1048204.jpgb0189215_10483413.jpg

意外に思ったのは語学学校に通うようなフランス好きの方々にもガレット・デ・ロワのことはあまり知られていなかったこと
(知らないから講義を受けたのかもしれませんが…フェーヴコレクターの人も2~3人しか居なかった、と思う)

東京でさえもガレットの認知度はこんなものなのかもしれません。
この講座、ぜひとも毎年続けて欲しいです!


                                 ※※※


にほんブログ村 スイーツブログへ

[PR]
by Ethno-PATISSERIE | 2012-03-16 11:11 | gateau des rois | Trackback | Comments(6)

Nex ;ネクスのフェーヴ 2012 (&マカロン形フェーヴ+おまけ) kawaii

ジャンヌ・ダルクの生まれた町Domrémy la Pucelle ;ドンレミ・ラ・ピュセルにあるフェーヴ工房Nex ;ネクス
2009年1月に工房の取材をさせて頂きましたが、独創的でオリジナリティー溢れる大好きなフェーヴ工房の1つです。
(昨年の震災後に安否を気遣うメールを頂いたようなのですが、新しいアドレスをお知らせしていなかった為に届かず、
心配をおかけしてしまいました><)

地元ロレーヌ地方にあるフェーヴ工房と言うことで、2008年にFressonさんがマカロン形フェーヴをオーダーしています。
b0189215_19333.jpg

↑ 可愛かったのでいくつか集めていたのですが、フレッソンさんがSDC東京で来日した際に見せると
「まだ全部揃っていないじゃん」と後からわざわざ送ってくれた、優しい気持ちのこもった大切な宝物



翌年の2009年にはフレッソンさんにNexを紹介して貰ったエーグル・ドゥースの寺井シェフが
同じタイプで少し違うマカロン形をオーダーしています。
(ただし、フェーヴとしてガレットに入れられるよりもキーホルダーとして販売された数の方が多いと思われます^^)
b0189215_19102781.jpg
               ↑ マカロンキーホルダー;左がフレッソン、右がエーグル・ドゥース


因みにNexのマカロン形フェーヴは他にも2種類持っています。
写真では分かりにくいかも知れませんがどれも厚みやクリームの出方などが違っていて個性的で、どれもカワイイ~^^
b0189215_2225199.jpg
                 ↑ Fresson,Pain de Sucre,Thiébaut,Aigre-Douce




毎年その年に作られたフェーヴのカタログを送って貰い、その中から好きなものをいくつか購入しているのですが
今年選んだのは次の2シリーズ・・・
b0189215_22305350.jpg

↑ 「Les Rondelles」シリーズ
b0189215_22371164.jpg

↑ 「C’est ça la France」シリーズ


因みに寺井シェフがオーダーしたクラブ・ドゥ・ラ・ガレット・デ・ロワのロゴと(ほぼ)同じフェーヴもNex製。
b0189215_22565478.jpg



そして・・・

サロンデュショコラで来日していたフィリップ・ベルナシヨンさんが鞄に付けていたマドレーヌ形のキーホルダー
b0189215_2313747.jpg


これは彼が寺井シェフから貰ったというもので、やっぱりNex製だったのでした。
(このキーホルダー、お店で販売しているのかなぁ ?)



                                  ※※※
[PR]
by Ethno-PATISSERIE | 2012-03-13 23:10 | feve工房 | Trackback | Comments(2)

南仏から届いたフェーヴ

昨年起こった震災の後、フランスに住む大勢のフェーヴ友達やパティスリー・ショコラトリー関係の友人たちから、
私や私の家族、そして日本に住む人々のことを心配するメッセージを頂きました。


写真のフェーヴは震災後早々に南仏に住むフェーヴ友達から届いたもの。
b0189215_10465828.jpg

彼女の住む南仏にあるメーカーMoulin à Huile; ムーラン・ア・ユイルにオーダーしたものです。
左2つは彼女の愛犬(左が2010年、右が2011年)をデザインしたもの、
右のフェーヴは「蝶・魚&プロヴァンス」をコレクションテーマにしている彼女の友人が作った同様のフェーヴで、
蝶と魚を合わせたもの。
表面の数字、これには作った年の自分の年齢で、裏には手書きでシリアルナンバーを入れてあります。
b0189215_1058865.jpg


フランスのフェーヴコレクターの中にはこんな風に誕生日等、様々な記念日にフェーヴ
(ガレットに入れる為に作られたものではないので正確にはフェーヴとは呼べませんが)
を作ってプレゼントにすることがあるのです。


色々な思いが込められた、とっても大切な宝物・・・。
(同時に彼女とその友人たちからの義捐金も頂き、私の分も足して日本赤十字へ寄付させて頂きました。
傷付いた日本へ向けられる祈りと愛に感謝を込めて)



                                    ※※※
[PR]
by Ethno-PATISSERIE | 2012-03-11 11:04 | feve | Trackback | Comments(2)

スペイン菓子をお取り寄せ・・・

前回のブログでご紹介した「Roscón de Reyes ; ロスコン・デ・レイジェス(レイエス)」を購入した際
Polvoron ; ポルボロン」も販売するとのことだったので一緒に購入♪
b0189215_21373855.jpg


ポルボロンは、これに似たmantecado ;マンテカード(と言うか、ポルボロンがマンテカードのバリエーションの1つ、と言う方が正しいらしい)やTurrón ; トゥロンMazapan ;マサパン等と共にクリスマスに欠かせないお菓子だったからこそ、ロスコンと一緒に販売されていたのですね~^^♪
b0189215_21375499.jpg
                ↑ とっても口溶けが良くて、口に入れるとホロッ、サラッとほぐれていくのが特徴


SDC東京のお仕事の際に差し入れに持って行ったところ、評判も良くて「また食べたい♥」という要望にお答えして、
これを販売していたスペイン料理アカデミーの渡辺万里さんにお尋ねしたところ、
「今は藤本恭子さんが直接販売しています」とのお返事が・・・。

早速連絡してみたところ、現在販売しているのは
・ポルボロン
・ロスコ・デ・ヴィノ(マスカットの甘いワインが入ったクッキー)
・ロスコ・デ・イェマ(卵黄が入ったクッキー)
・ブランコ(白いクッキー)
・パナジェッツ(アーモンド生地と松の実のお菓子)
・タルタ・デ・サンティアゴ(アーモンドタルト)

と、教えて頂いたので
ポルボロンの他に、ロスコ・デ・ヴィノ、パナジェッツ、タルタ・デ・サンティアゴも購入してみました♪
b0189215_21434595.jpg

どれもアーモンドの香り豊かな、素朴ながらも丁寧に作られた滋味に富んだお菓子でした。
b0189215_21441330.jpg
              ↑ タルタ・デ・サンティアゴ。タルト生地もサクサクで美味しい

藤本さんはスペイン菓子を探求するため4年間スペインに滞在したそうで、今のところ実店舗の予定は無いものの、
6月に大阪・梅田で開催されるスペインフェアに出展する予定とお聞きしました。
スペインフェア(スペイン文化協会))
スペインは大好きなので何回か訪れていますが、出会ったお菓子はどれも美味しいものばかり♥
そんな本格的なスペイン菓子が日本で食べられるとは嬉しい~~~♪


お菓子に添えられたリーフレットには「ポルボロンとは粉を意味するpolvo ;ポルヴォが語源」と説明されていました。
食べた時、粉のようにほぐれていく食感から名付けられたのでしょうね。
調べてみる(日本語とスペイン語で)とマンテカードと共に、ラードと粉を材料にアンダルシア地方で16世紀頃から
作られるようになったとありました。
セヴィーリャ県Estepa ;エステパとマラガ県Antequera ;アンテケラの2つの町が
その発祥地であると主張しているのだとか。
(日本語で検索したら、こんな興味深いブログを見つけましたよ)


こんなに色々な情報が発信されているのに、
本当のスペイン菓子って日本では意外にもあまり知られていなかった!? ということを改めて実感です^^;



                                  ※※※


にほんブログ村 スイーツブログへ


[PR]
by Ethno-PATISSERIE | 2012-03-06 21:59 | その他 | Trackback | Comments(4)

「Roscón de Reyes ; ロスコン・デ・レイジェス」を日本で…

Roscón de Reyes ; ロスコン・デ・レイジェス(レイエス)」は1月6日の公現節に食べられるスペインお菓子。
sorpresa ;ソプレサ(陶器製或いはプラスチックの人形=フランスで言うフェーヴ)と
haba ;アバ(乾燥した空豆)の2つ入っていて、前者が入っていれば当たりで王様になり(幸運が訪れる)、
後者だとハズレでお菓子代を支払うことになるのだそうな…。

昨年はこのロスコンを神戸にあるスペイン料理レストラン「El Raco Den Takeuchi エル ラコーデン タケウチ」さんからサプライズで頂きました♥     ↓ こちらはお店に出されていたロスコン
b0189215_22391290.jpg


今年は渡辺万里さんの主宰するスペイン料理アカデミーでこれが販売されると言うので即予約♪
これは絶対に「本場スペインでも最高レベルの美味しいロスコンが再現されること間違いなし!」ということで
期待も大いに膨らみます(万里さん監修の元、スペイン菓子研究家 藤本恭子さんが制作)。

で、1月5日に到着したロスコンは…
b0189215_2319507.jpg

見た目の美しさは勿論ですが、軽い上品な甘さで口溶けがとても良くオレンジの風味も効いていて
さすがの美味しさでした~~~♥
b0189215_2321642.jpg

                           ↑ 切り口はこんな感じ・・・


万里さんからロスコンの食べ方もご紹介いただきました♪(そのまま普通に食べる以外で)
  朝のカフェオレに浸して食べる(少し硬くなってからでも美味しく食べられる)。
  横半分に切って泡立てた生クリームをはさむ。


生クリーム好きなので、これをはさむ食べ方は大好きでした♥
生クリーム+パティシエールも美味しそうだし、ジャムを+するのも美味しそう。
アイスクリームをはさむのもいいなぁ~。


昨年武内シェフからは、
スペインでパン菓子というと通常はオリーブ油を使うところ、ロスコン・デ・レイジェスには必ずバターを使う
ということと
パサパサで飲み物無しには食べられない
ということを教えて頂いたのですが、
シェフの作ったロスコンも決してパサパサではなく、飲み物が無くても美味しく食べられました~^^


万里さんに「来年はソラマメとスペインのソプレサを入れて下さい♥」と図々しくもお願いしたのですが^^;
たとえ入っていなくてもまた絶対に食べたい、絶品のロスコンです。



                                   ※※※


にほんブログ村 スイーツブログへ

[PR]
by Ethno-PATISSERIE | 2012-03-03 23:37 | gateau des rois | Trackback | Comments(2)