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フェーヴメーカー「Vania Hrdy ;ヴァニア・ウルディ」(1988 ?-1999)

Vania Hrdy ;ヴァニア・ウルディ」は、現在製造していないメーカーです。
* Hrdy はちょっとカタカナにしづらい名字。発音を知りたい方はこちらでどうぞ

ネット情報によれば、
彼女はセラミストの父とデッサンの勉強をした母の間に生まれ、1988年に陶彫家となりました。
フェーヴ製造のきっかけとなったのは同じCher ;シェール県に工房を持ち、自らも制作していたことのある
Pierre Casenove ;ピエール・カズノヴ氏だったのだとか。
* Pierre Casenoveの工房についてはこちらで・・・。
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初期の作品は繊細で小さい単色のもので、白・黄・ピンク・青・緑・茶の6色が使われていました。
当時のAFF(Association des Fabophiles Français ;フランスのフェーヴコレクター協会)会長
Ghislain POLFER
氏が彼女にAFFの会報誌で紹介することを勧めたとか。
ところがこれらのフェーヴはコレクター向けで、お店で実際に使われることがなかったことから「これはフェーヴではない」
という批判が出て、POLFER氏がAFF用フェーヴとして少量制作することを提案。
そしてこれをあるパティスリーのガレットに入れることで晴れて「フェーヴ」となったのでした^^
* このようにコレクター向けのフェーヴを作る際には、一部をガレットに入れるよう配慮するのが一般的。
* 本来ガレット・デ・ロワに入れるという前提で作られたもの以外はフェーヴと呼ぶことはできません。
さらに厳密に言えば、ガレットに入れられなかったものはフェーヴとは言えないことになります。

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                         ↑ 裏にはマーク等はなく、ほぼ平ら

彼女のフェーヴはどれも非常に美しく、時と共にテーマに沿ったシリーズで作られるようになり非常に精緻な作りに
なっていきます。
そして各フェーヴの詳細なデッサン(デザイン画)があることも特徴と言えます。
このメーカーもあまり出回らないので、私が持っているのは真っ白でマットなものと艶のあるものの2つだけですが
いずれもデザインが独特で美しいフェーヴです。




                                  ※※※



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by Ethno-PATISSERIE | 2012-07-22 15:58 | feve工房 | Trackback | Comments(4)

フェーヴメーカー「Pierre Casenove ;ピエール・カズノヴ」(1979 ?)

1年間だけフェーヴを作っていたメーカー。

Pierre Casenove ;ピエール・カズノヴ氏はサクランボでも有名な南仏の町Céret ;セレ出身のセラミストです。
この当時はBourges ;ブルジュの北東に位置するAchères ;アシェールに工房がありました。
同様の工房製フェーヴとしては先駆者の1人と言えます。
* 恐らく制作年が1979年の1年間で、1980年用(或いは数年販売された可能性有)のフェーヴ30種類程
製造されたと思われる。

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                 ↑ 左からArbre(木)、Théière(ティーポット)、Papillon(蝶)

当時はまだパン屋・菓子屋にこのようなフェーヴを受け入れる体制が整っておらず、
大きさがマチマチだったこともあって、残念ながらあまりよい反響は得られなかったようです。

その為いくつかのフェーヴは穴が開けられ、ボタン等に加工されています。
メーカーのマーク等は入っておらず、裏面が平らにならされていないところが特徴と言えるでしょう。
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現在はジュラ県の自然に囲まれた村に住み、デザイナー、アーティストとして活躍しています。


                                 ※※※



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by Ethno-PATISSERIE | 2012-07-19 15:03 | feve工房 | Trackback | Comments(2)

フェーヴメーカー「Chris ;クリス」

Chris ;クリス」も情報が少なく、オークションやサロンでもあまり出回らないメーカー。
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アルザス在住のコレクター友達によれば、フェーヴの売買をしていたある年配の女性が
パリ近郊に住んでいたあるセラミストの女性にフェーヴの制作を依頼したことから
Chris ;クリス」のフェーヴが誕生したと言います(コレクター友達はその年配女性から購入)。

お菓子屋さん等のプロ向けではなく、コレクターへ販売されていたこと、サロンでの販売が上手くいかなかったことや、
彼女がブルターニュへ引っ越したこと等が原因で、製造は10年ほどで終了しました。
* 制作年ははっきりしませんが、恐らく1980年代から1990年代初頭までの期間だと思われる。

はっきりとしたスタイルのある作風で、私が持っているフェーヴはどちらかと言うと小さめの印象。
「La Fève Royal」というフェーヴコレクタークラブ(現在は無い)の本には2ページにわたって
30種類程度のフェーヴが紹介されています。
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フェーヴの裏には必ずスタンプが押してある為、すぐに判別できます。



                                ※※※


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by Ethno-PATISSERIE | 2012-07-15 16:17 | feve工房 | Trackback | Comments(2)

フェーヴメーカー「Bonnet ;ボネ」( ? – 1995 ) kawaii

「Bonnet ;ボネ」は1990年代、注文したお店の名前を入れたオリジナルフェーヴを製造していたメーカーです。
ここに関してもあまり詳細は分かっていません。
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南仏在住のコレクター情報によれば、Bonnet氏はVar ;ヴァール 県Hyères ;イエールに工房を持つ陶芸家で
1995年に退職するまで製造していたとか。
根っからの職人でしたが、彼の製品を販売する為の仲介者がいたおかげでフェーヴも比較的多く出回りました。
単色、2色使いが多く、文字や絵は細い線で描かれていて独特のスタイルがあるフェーヴです。
 
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                        ↑ 瓶や王冠のフェーヴも特徴的

特に工房のあるHyèresのブーランジュリー、Maison Pastor ;パストールの為に作られたフェーヴは
比較的多く見られます。



                                ※※※


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by Ethno-PATISSERIE | 2012-07-12 15:08 | feve工房 | Trackback | Comments(2)

フェーヴメーカー「Dautrey ;ドートレイ」(1988? – 2001?)

フェーヴをつくっていたメーカーには製造期間が短期間のところも多く、地元のパン屋・菓子屋の依頼でセラミストが
不定期に作ったケースや、お店ではなくコレクター向けにのみ販売していたところもあり、あまり知られていないケースも多くあります。

Dautrey ;ドートレイ」は既に製造を終了しているメーカーです。
ここに関しては先輩のコレクターに聞いても多くの情報は得られませんでした。
Langres ;ラングル(或いはその近郊)にあったメーカーで、Prime社によって販売されていた期間
(1990-1998年という説有)がある為、Prime製となっているものも見受けられます。

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↑ Les Rois de Pâques 1990/1992(裏にマーク無;6/12個)


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↑ Babar 1991(裏にレリーフ;年とクレジットBrunhoff 入)

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↑ Petits Papillons 2001(裏にDAUTREYのスタンプ有)


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↑ サイズの大きいフェーヴ。3つのうち1個だけスタンプ有)



                                 ※※※
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by Ethno-PATISSERIE | 2012-07-10 21:49 | feve工房 | Trackback | Comments(2)

「la Brioche de Bourgoin ;ブリオッシュ・ドゥ・ブルゴワン」

ブリオッシュ系の地方菓子は数多く存在し、それぞれに特徴があって面白いのですが
中でも見た目が特徴的なのが「Brioche de Bourgoin ;ブリオッシュ・ドゥ・ブルゴワン」。
リヨンの東南40km余離れた、Isère県にある町Bourgoin-Jallieu ;ブルゴワン・ジャリユーのスペシャリテです。
* Bourgoin-Jallieu ;ブルゴワン・ジャリユーはブルゴワン・ジャリューと書いてあることもある。

王冠形に成形・焼成したブリオッシュの表面に、紅白の細かいドラジェを貼り付け、赤いプラリヌと
白いドラジェを刺してあります。
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↑ これがそのブリオッシュ

言い伝えでは1449年王太子ルイ2世(後のフランス国王ルイ11世)がこの地に滞在していた折、パン屋たちが
王太子に敬意を表し、小麦粉、牛乳、蜂蜜、酵母で作った発酵生地で王冠形のお菓子を作ったのが始まりだ
と言います。

実際にいつから存在しているのかは定かではありません。

フランス各地の食に関するスペシャリテを詳しく解説している
L’inventaire du patrimine culinare de la France 」のRhône-Alpes版では
Maurice Varilleは1928年『Pogne(=Brioche) de Bourgoin ;ポーニュ・ドゥ・ブルゴワンは
Saint Genix ;サン・ジュニのLabully ;ラビュリー家が作るプラリヌ入り菓子(=Brioche de Saint Genix)と同様に有名である』と書いている
」ことを取り上げ、更に「LabullyのブリオッシュはBourgoin のDelaye氏にポーニュを紅白の砂糖で飾るというアイディアを与えた」ことが書かれています。


b0189215_22403970.jpgMaurice Varilleよりも古い記述を探してみると、1907年に出版された
AD.Vachet著「Glossaire des Gones de Lyon」の中に
La pogne de Bourgoin a de la renommée(Bourgoin のポーニュは有名である)」という記述を見つけることが出来ました。
更に「これはエピファニーのブリオッシュである」ともあります。

現在でもポーニュはガレット・デ・ロワと一緒にフェーヴ入りでエピファニーに販売されています。
もしかしたらブリオッシュ・ドゥ・ブルゴワンもガトー・デ・ロワとして
販売されているかも。
かつて町で行われる『市』では非常に沢山販売されたと言いますし、Pâques(復活祭)に食べられるお菓子でもありました。



さて、私がこの町を訪れたのは2003年のこと。

目指すはその名もA la brioche de Bourgoin ;ア・ラ・ブリオッシュ・ドゥ・ブルゴワン」。
アポイントは取りませんでしたが、事前に手紙で伺うことを知らせていたお店です。
お客が多かったにもかかわらず当時この店のご主人Pierre Broizat氏の奥さまMoniqueさんが
とても親切に応対して下さいました。
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店は創業100年以上経つそうで、ご主人は見習いの時代からここで働いていたそうです。
外からガラス越しに見えるブリオッシュが立体的にとても可愛くディスプレーされ、
味のある素敵な看板も含めていい雰囲気。
聞けば奥さまはお店の装飾に力を入れて講習会にも通い、コンクールにも参加する腕前なのだとか。

ブリオッシュは飾り付け済みとそうでないものの2種類置いてあって、嬉しいことにどんな風に飾り付けするのか見せて下さいました。
ブリオッシュをこんな風にデコレーションするのを見たのは初めてだったので軽い驚きを感じました^^

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↑ 表面に刷毛で卵白を塗る。 そして手のひら全体を使い、最初に白くて細かいドラジェをまぶしつける。

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↑ 同様に赤くて細かいドラジェもまぶす。赤い部分に白いドラジェ、白い部分に赤いプラリヌを2つずつ差し込む。


お持ち帰りの包みもカワイイ♪
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このお店に、実はブリオッシュの他にもう1つスペシャリテがあります。そのご紹介はまた次の機会に。

◎Pierre Broizat氏は既に引退し、現在お店の所有者はSylvain Dauchy氏となっていますが、店名は同じままなので恐らく2つのスペシャリテは変わらずに作り続けられていることと思います。
◎店のfbページによると、残念ながらSylvain Dauchy氏のお店は2014年9月に法廷清算に入ったそうです。その後お店がどうなったのか?このブリオッシュはどこかで作り続けられているのかどうかは不明。


※※※


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by Ethno-PATISSERIE | 2012-07-05 23:17 | 22Rhone-Alpes | Trackback | Comments(2)