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Gâteau Marjolaine ;ガトー・マルジョレーヌ

Gâteau Marjolaine ;ガトー・マルジョレーヌ」は、フランスのIsère県(Rhône-Alpes地方圏)Vienne ;
ヴィエンヌの町にある「Restaurant de la Pyamide ;レストラン・ドゥ・ラ・ピラミッド」で
作られていたデザート菓子です。

* このレストランのオーナー・シェフであったFernand Point ;フェルナン・ポワン(1897-1955)は、
父の店を継いだ3年後の1928年にはミシュランガイドで2つ星獲得。
1933年には3つ星を獲得。第二次大戦中に閉店していた時期を除き、亡くなる1955年まで、
更には、その後を引き継いだマダム・ポワンが亡くなるまで3つ星を保ち続けました。
フェルナン・ポワンは厨房の機能性にこだわり、なによりも素材の新鮮さと風味を尊重する現代フランス料理の基を確立。後に活躍するポール・ボキューズ、トロワグロ兄弟、アラン・シャペル、ルイ・ウーティエ等々才能ある多くの料理人を育ててました。
*1986年マダム・ポワンの死後、店は売却されて所有者が代わりマルジョレーヌも作られなくなり、
幻のデザートに…。
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↑ ピラミッドのメニュー。写真右はマダム・ポワン直筆。下方には「marjolaine」の別名「gâteau succès」の文字が見えます。

現在日本でも幾つかのお菓子屋さんでマルジョレーヌが販売されています。
勿論本物に近いものもあるとは思いますが、デセールとして作られたものをパティスリー用でお持ち帰り
できるようアレンジされているでしょうし、(作り手の個性やそれぞれの事情から)
ピラミッドのマルジョレーヌと同じと言えるようなものにはなかなか巡り合えないというのが
実情ではないでしょうか。
それは自然なこととは思いますが、多くの場合それがピラミッドのマルジョレーヌと結びつけて紹介されるので、本物を食べたことが無い人は同じものだと感じるのでは?と、本物をリスペクトする身としては
多少の疑問を感じていました。

幸い1970年代、辻調理の先生方がピラミッドで研修してマルジョレーヌの作り方も学んで来られたおかげで、今でも本物を再現することが可能です^^
その中でも、やはり川北先生のマルジョレーヌは限りなく本物に近くて美味しいと誰もが納得のお味!
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↑ 完成品の写真が無いのは残念すぎるのでココから拝借しました

嬉しいことに先日、その川北先生が行うデモがありました。
今回再現するにあたり現在手に入る最高の材料を使って試作してみたそうですが、当時の味を再現することは
出来なかったと言います。
ナッツはコクに欠け、生クリームも薄い。
契約農家が直接納入されていた当時のクリームとは美味しさが違うのも仕方がないのかもしれません。
それだけ素材の味が出来上がりに大きく影響する繊細なデセールだったのですね。


一番の特徴はfond(生地)と2種類のcrème(クリーム)。
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↑とっても薄い「fond de Marjolaine」焼成後すぐにパリパリになる。これを柔らかく戻して使用。

生地はメレンゲを十二分に泡立て過ぎと思う位まで泡立て、油が出ないよう注意深く
ブロワイユーズにかけられたナッツを加えて泡がつぶれてトロリとするまで混ぜた生地を、出来る限り薄く
伸ばしてしっかりと焼き色が付くまで焼成。
店ではそれをワインカーヴに3日間保存して柔らかく戻していたそうです(日本ではどうしても戻らない為、
止むを得ず霧吹きで湿らせていましたが、当然ながら自然に戻ったものと同じにはなりません)。

一般的なシュクセと異なり、挟むクリームはバタークリームではなく、クレーム・シャンティ。
泡立てたシャンティーに溶かした熱いバターを混ぜ込むことで保形性を持たせると同時に香りとコクをプラスしています。
保形性と言う点でもゼラチン等ではなく、口に入れた瞬間に溶けるバターを使っている所がポイント。
もう1層のシャンティ・オ・プラリネも、ただシャンティに混ぜればよいわけではなく、泡をつぶさないよう、分離させないように合わせないと出来上がりのクリームは重く、厚みの無いものになってしまいます。

上下のフォンにはさんだガナッシュも硬すぎず厚すぎず、口の中で全部が一緒に溶けていくような食べ心地♪
フォンが薄く柔らかいので、よくあるビスキュイのように口から水分を奪うようなこともありません。

この時は運よくセミナー後に川北先生からさらに貴重なお話をたっぷりお聞きすることが出来ました♪
(あまりおしゃべりが過ぎて、なんと完成品の写真が撮れず・・・ガックリ)
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残念ながらいつ考案されたのかは不明です。
(古くから働いていた現在のグラン・シェフの方々にお聞きすれば分かるかもしれません)
ポワン氏自身が考案したとのことですから、20世紀初めであることは間違いありません。

1970年代のフランスでもシャンティーを使ったお菓子はシュー・シャンティイ位しか見つからなかったそうですが、それよりもっと以前に、しかもそれまでにない作り方でこれほど繊細なものを作りだすとは驚き!

マルジョレーヌという名前のお菓子はピラミッド以外でも作られてはいましたが、全く別物だったそう。
自分の持っている本で調べてみると、確かに「La Pâtisserie d’Aujourd’hui」(Urbain Dubois著1894年)に「Gâteau Marjolaine」が、「Traité de Pâtisserie Moderne」(Darenne et Duval共著 )には「Marjolaine」という名前のお菓子が掲載されていました。
いずれも薄く焼いたアーモンド入りのメレンゲ生地(シュクセ生地)に、クレーム・フエッテ或いは
クレーム・オ・ブールを挟んで層にし表面にグラサージュをかけて飾り付けしたもので、ポワンさんのはこれらの進化系とも言える感じ。

また、上の写真のようにマルジョレーヌには「Gâteau succès ;ガトー・シュクセ」と言う別名がありましたが、これらのマルジョレーヌは「19世紀末から20世紀前半にかけてフランス各地で見られ、
現在でも多くの地域でスペシャリテとして残っている、メレンゲにナッツを細かく引いた粉を混ぜて焼いた生地にバタークリームを挟んだお菓子」の1種(*)だと言ってもよいのではないでしょうか。
ただしパティスリーで販売されるこれらの菓子とは違い、一流レストランのデセールとして作られている為、
見た目も食べた感じもかなり異なりますが…。
* 個人的にこれらの菓子を「Dacquoise系菓子」と分類しています。
Saint-Epvre,Russe,St-Antheme,Ideal Chaumontais等々各地にスペシャリテとして残っています。
一部ですが、ココと、写真のみですがココでも紹介しています。



折を見てはダコワーズ系菓子を取材していましたが、今頃マルジョレーヌもその1つだったことに
気付いたのでした^^;
本物の「レストラン・ピラミッドのマルジョレーヌ」がいつまでも食べることが出来ますように。



※※※




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マルジョレーヌの写真や作り方・・・
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by Ethno-PATISSERIE | 2013-07-31 20:24 | 22Rhone-Alpes | Trackback | Comments(7)