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ガレットに入れてはいけないフェーヴ?

少し前、フェーヴコレクター仲間のYoshieさんから頂いたメールの中に

そういえばジョアンのフェーヴには「入れちゃダメです」的な注意書きがあったので、これももしかしたら、食品に入れてOKな塗料を使っていないのかなあと、結構気になっています。(単なる事故防止策かもですが)

とありました。
別添えされているとはいえ、「入れちゃダメ」と言われてはどうしてなのか気になりますよね!
もしかしたら他にも気になっている方がいらっしゃるかも?と思い、ジョアンのグループ会社であるドンクに問い合わせてみました。以下はそのご報告です。


まずはその気になる文面から…。
フェーヴに添付された取扱説明書には、他の文章よりも目立つように太文字で書かれているところがあります。
それが以下の文。

ジョアン」バージョンでは
本品は『ガレット・デ・ロワ』などの菓子・パンの焼き上げ時に入れないでください。
ガレットに入れてはいけないフェーヴ?_b0189215_22464433.jpg

という記述があります。
(焼き上げ時というのは熱々の時には入れてはいけないということなのでしょうか?う~ん、ちょっと分かりにくい表現のような…^^;)

ドンク」バージョンでは
本品は『ガレット・デ・ロワ』などの菓子・パンに入れないでください。
ご使用の際にはワイヤータイを取り外してください。
ガレットに入れてはいけないフェーヴ?_b0189215_22251116.jpg

とあります。
入れないでくださいと書いているのに「ご使用の際は…」とあるのがちょっと不自然???

この点につきまして、この度とても丁寧なご回答を頂きましたので、原文のまま以下に記載させて頂きます。

弊社でお渡ししているフェーヴの取扱説明書の内容に関しまして、説明が不十分でしたこと申し訳ございません。
取扱説明書内の「本品は「ガレット・デ・ロワ」などの菓子・パンの焼き上げ時に入れないでください」という記載に
つきましては、陶器で出来ておりますので、お召し上がり時に誤って飲み込んでしまったり、歯が欠けてしまう等の
事故防止のため、注意喚起の意味で記載させていただいております。
また製造元へ確認いたしましたが、フェーヴの色づけに危険物質は含まれておりませんので、ご安心くださいませ。
同様に「ご使用の際はワイヤータイを取り外してください」という記載につきましても、「ガレット・デ・ロワ」にフェーヴを
入れて使用される場合を想定し、上記のような事故を防止するために記載しております。
説明が不十分であったこと本当に申し訳ございません。
危険物質は使用しておりませんので、ご家庭で「ガレット・デ・ロワ」にフェーヴを入れてお召し上がりになっても問題はございませんが、充分お気をつけいただきますよう、何卒よろしくお願いいたします。


と言うことで、入れてはいけない理由があるのではなく、あくまでも誤飲等による事故予防を強調するものでした。
(もしかしたら来年はもう少し分かりやすい取扱説明書にして下さるかも?なんて…)

ガレットに入れてはいけないフェーヴ?_b0189215_2325655.jpg1つ前のブログで、ドンクが1965年1月に陶器のフェーヴを焼き込んだガレット・デ・ロワを販売したことを書きましたが、残念ながらその数年後「フェーヴを噛んで、歯が折れた」というクレームがあり、陶器製からグミに変えられています。
この教訓があるのでドンクの慎重な対応も分かるような気がします。



← ジョアンのガレット♪

古くからエピファニーにガレットを食べる習慣のあるフランスとは違い、元々その習慣の無かった日本では
1965年当初は勿論、首都圏を除けば現在でも認知度が高いとは言えないのかもしれませんから、仕方のないことなのかもしれません。

皆さま、エピファニーの季節には「歯が欠けた!」なんてことのないようにくれぐれも注意をして楽しくガレットを
頂きましょう~♪ (それでもやっぱりフェーヴを焼き込んだガレットが好き♥)

 
Commented by buuchandayon at 2010-10-01 23:42
そうだったのですねー。
鉛やカドミウムとかの有害物質が含まれてて溶け出す、、とかそういう危険さがあるわけではなかったのですね。
すごく勉強になりましたー^0^bybuuchan
Commented by Ethno-PATISSERIE at 2010-10-02 14:30
◎buuchanさま♪
アジア製のものでこのような記述があると「万が一」って考えもよぎってしまいますが、大丈夫とのことでした。ホッ^^
Commented by Lechat at 2010-11-22 00:29 x
ドンクからとても丁寧な回答があったのに、余計なことかも
しれませんが、フランスではガレットの中に入れて焼かれている
フェーヴですが、日本の場合は別添えになっていると思います。
それは、日本の「食品衛生法」によるものだと聞きました。
ですから入れた焼いたものを売ることはできないけれども
自宅で焼く場合は、その限りではない、、、というドンクの
説明になる訳ですが、あえて配慮し法律に触れてないのではと
思います。
残念ですが、文化の違い…という風に理解しています^^b
Commented by Ethno-PATISSERIE at 2011-04-23 23:18
◎Lechatさま、
コメント頂き、ありがとうございます。
(コメントに気付かないままで、本当に申し訳ありませんでした)

地元の保健福祉局健康部生活衛生課に問い合わせたところ次のような回答を頂いています。

このように食品に陶器製の人形のようなものを直接入れる場合、この人形は「食品衛生法」という法律の「器具」に該当します。
食品衛生法の器具には、例えば「定められた条件下で着色料や重金属が溶け出してはいけない」等の基準が定められており、その基準に適合しなければ「器具」として単独であっても、食品と一緒であっても販売することは出来ず、また、同時に人形が食品衛生法で定める「おもちゃ」(別途指定された範囲がある)に該当する場合は、「おもちゃ」の規格基準にも適合する必要がある。とのことでした。
つまり適合したものであればOKだということになりますね。

ただし、適合したものであっても形状・サイズによっては誤飲等、事故の防止にも留意する必要があるだろうとのことでした。

必ずしも「入れたものは絶対に販売することはできない」わけではないことが分かって良かったです。
Commented by M at 2013-04-24 09:45 x
実に日本らしい理由ですねぇ。
食品に陶器を入れると言う事に慣れてませんからね。
こうなると、やはりフランスの物はフランスで楽しむに限ります。
無理に作ろうとすると本場とかけ離れた物になって残念な結果になりますね。
しかも日本にはエピファニーなんて行事はありませんもの。

Commented by Ethno-PATISSERIE at 2013-04-25 14:08
Mさん おっしゃる通りです。購入して食べる側が、その習慣や文化を理解していなければ、「本当の意味」でガトーデロワやエピファニーを楽しむことは出来ません。
Commented by micocon at 2013-05-10 12:00
ネットで検索してこちらにたどり着きました。
ガレット・デ・ロワに入れようと、業務用のお店でフェーブを購入したら、同じような注意事項書かれていて、唖然としたことがありました。
でも、これで納得しました!
本当にありがとうございます♪
次のガレット・デ・ロワ作るときには、入れて焼きたいと思います!
Commented by Ethno-PATISSERIE at 2013-05-10 17:42
micoconさん はじめまして^^メッセージありがとうございます。こんな注意書きがあったら誰でも「どうして?」と思いますよね。お店では対応が難しいかもしれませんが、自分で作る時はぜひとも中に入れましょう~ (^ー^)ノ
by Ethno-PATISSERIE | 2010-10-01 23:10 | fève | Trackback | Comments(8)

<仏蘭西菓子研究所>フランス地方菓子&行事菓子 ガトーデロワ&フェーヴ *by roiboit*


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