ノルマンディーのお菓子「Le Brasillé ; ル ブラジエ」
2010年 10月 21日
Brasillé ; ブラジエという名前は、13世紀に使われていた「炭火でグリエ或いはローストする」ことを意味
19世紀半ばには「カルヴァドスの主に沿岸部で作られる、ブラジエと呼ばれる炭火で焼いたガレット」と
この時代のブラジエは薪釜を温める際、窯の入口に入れて温度を見極めるためのガレット形パンでした。
それが時の流れと共に変化して行きます。
1938年にJean Seguinは「少し厚みのある細長く柔らかいGâche ;ガッシュ(ブリオッシュ状のパン菓子)の1種」だと描写していますが、さらに後になると「saindoux(ラード)を使って作られたパイ状のガレットで砂糖を振って熱々を食べるもの」へと変わっています。
さて、私がこのお菓子を訪ねる旅に出たのは2006年10月のこと。
いつもは電車とバスの旅ですが、今回は車であちこちつれて行って貰えるということだったので、
地図を片手に「あっちだ、いやこっち」と狭い道、
やっとのことで目的の町に辿り付いた頃には、
そう、この町で作られる「brasillé de Clinchamps-sur-Orne ;
ブラジエ ドゥ クランシャン シュル オルヌ」を食べる為だけに、
この町へやって来たのでした。
(あちこち寄ったけどココが最終目的地♪閉店前に無事着いてよかった~)
ここのブラジエは1980年Roussel ;ルーセル氏によって商標登録
現在は若いブーランジェのPhilippe Pépin; フィリップ ペパン氏(写真)によってこの秘密のルセットが引き継がれています。
ここで作られているブラジエはクロワッサン生地系。
見た目はちょっと無骨で、味もかなり素朴な感じ。
でも、まだ冷め切らないうちに軽く砂糖を振って食べるたら最高!
小麦やバターの美味しさがダイレクトに伝わってきて、
まわりのカリッとした感じもなかなかの美味しさでした♥
毎年9月中旬には、この街でfête du Brasillé ブラジエ祭りも
行われているとか。
* Boulangerie-Pâtisserie Le Brasillé
Philippe Pépin Le Bourg 14320 CLINCHAMPS SUR ORNE
見ました。炭火で焼くと言うのにそそられます!
これも熱々の所を頂きたいですねぇ。