La Flaune;フローヌ
2011年 05月 08日
地元で作られるフレッシュチーズを使ったチーズケーキもあちこちで目にすることが出来ます。
「la flaune;フローヌ」は、チーズ作りの際に残る乳清(ホエー)から作られた「recuite ;ルキュイット」と呼ばれるフレッシュチーズに卵、砂糖を加え、オレンジ花水で香りつけたものをPâte à brisée;
Aveyron;アヴェイロン県南部(Millau;ミヨー/St Affrique;サン・タフリック)やTarn;タルン県北東部、Lacaune;ラコーヌ種の羊が育てられている地域(ロックフォールチーズ等を生産)のスペシャリテでflône,flausone,flazoune(オック語ではflausona)とも呼ばれます。
← フロマジュリーでルキュイットを購入。
ビニール袋で量り売り。
← 脂肪分の少ないモロモロしたチーズだけど、
羊乳製なのでコクがある。
これらの「flaune,flône,flausone」という名前は『flan;フラン』の変形。
この『flan;フラン』という語は古フランク語で円盤状のものを示す「flado;フラド」に由来しています。
flan;フランはご存知の方も多いでしょうが、「卵ベースのappareilを詰めて焼いたタルト」のこと。
Pays de la Loireのfion;フィオンやCorseのfiadone;フィアドーヌ等も同じflan;フランの仲間です。
→ こちらは取材させて頂いたパティスリーで購入した
フローヌのタルトレット(ミニサイズ)
12世紀には「flaon」と呼ばれる、チーズやクリームに卵や砂糖を混ぜたもので作る大きなタルトが存在していました。
14世紀にトゥールーズで「 flausones 」や「 flauzon 」と言うお菓子についての記述が見られますが、
これについて記載されている資料は19世紀以前までは非常に珍しいものだったようです。
この菓子は元々、お祭りや家族のお祝いの時に家庭で作られるものでした。
お菓子屋さんで製造・販売されるようになったのは第一次・第二次世界大戦間頃から。
さて、これを初めて食べたのは2004年、Millauへ行った時のこと。
日本でも「Ricotta di Pecora;リコッタ ディ ペコラ」というイタリアの羊乳製リコッタ(ホエーチーズ)が手に入るので、ルキュイットの代わりにこれを使ってフローヌを作りました。
(因みにRicottaもrecuite も「もう一度火を通した」という同じ意味の名前が付けられています)
←こちらが「リコッタ ディ ペコラ」
以前コルシカのBrocciu;ブロッチュでFiadone; フィアドーヌを作った時には多少羊臭さがあったのですが、
このリコッタでは全く臭さは感じられず、出来上がりもルキュイットを使ったものにそっくり♪
今度この地方へ行く機会があったら、また是非食べたいお菓子です。
オレンジ花水で香りづけしてるんですね。
名前はフランの変形になったものなんですね。
roiboitさんのフローヌが食べたいと思いましたよ!美味しそう。
いつかコルシカのブロッチュ食べたいと思ってたんです。
roiboitさんは食べた事あるんですね。いいなぁ〜。