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La Flaune;フローヌ

フランス全土に数え切れないほど様々なフロマージュのあるフランス。
地元で作られるフレッシュチーズを使ったチーズケーキもあちこちで目にすることが出来ます。

la flaune;フローヌ」は、チーズ作りの際に残る乳清(ホエー)から作られた「recuite ;ルキュイット」と呼ばれるフレッシュチーズに卵、砂糖を加え、オレンジ花水で香りつけたものをPâte à brisée;
パータブリゼを敷いた型に入れオーブンで焼いたタルトです。
La Flaune;フローヌ_b0189215_140753.jpg

Aveyron;アヴェイロン県南部(Millau;ミヨー/St Affrique;サン・タフリック)やTarn;タルン県北東部、Lacaune;ラコーヌ種の羊が育てられている地域(ロックフォールチーズ等を生産)のスペシャリテでflône,flausone,flazoune(オック語ではflausona)とも呼ばれます。
La Flaune;フローヌ_b0189215_14184587.jpg← フロマジュリーでルキュイットを購入。
ビニール袋で量り売り。
 
La Flaune;フローヌ_b0189215_14202129.jpg← 脂肪分の少ないモロモロしたチーズだけど、
羊乳製なのでコクがある。
 

これらの「flaune,flône,flausone」という名前は『flan;フラン』の変形。
この『flan;フラン』という語は古フランク語で円盤状のものを示す「flado;フラド」に由来しています。
flan;フランはご存知の方も多いでしょうが、「卵ベースのappareilを詰めて焼いたタルト」のこと。
Pays de la Loireのfion;フィオンやCorseのfiadone;フィアドーヌ等も同じflan;フランの仲間です。

La Flaune;フローヌ_b0189215_14412252.jpg→ こちらは取材させて頂いたパティスリーで購入した
フローヌのタルトレット(ミニサイズ)
 

12世紀には「flaon」と呼ばれる、チーズやクリームに卵や砂糖を混ぜたもので作る大きなタルトが存在していました。
14世紀にトゥールーズで「 flausones 」や「 flauzon 」と言うお菓子についての記述が見られますが、
これについて記載されている資料は19世紀以前までは非常に珍しいものだったようです。
この菓子は元々、お祭りや家族のお祝いの時に家庭で作られるものでした。
お菓子屋さんで製造・販売されるようになったのは第一次・第二次世界大戦間頃から。


さて、これを初めて食べたのは2004年、Millauへ行った時のこと。

La Flaune;フローヌ_b0189215_1444059.jpgランチを食べたレストランでこの菓子について尋ねると、デザートの後にわざわざ小さな
フローヌとお皿に盛ったルキュイットを持ってきて味見させてくださったのでした♥

日本でも「Ricotta di Pecora;リコッタ ディ ペコラ」というイタリアの羊乳製リコッタ(ホエーチーズ)が手に入るので、ルキュイットの代わりにこれを使ってフローヌを作りました。
(因みにRicottaもrecuite も「もう一度火を通した」という同じ意味の名前が付けられています)
La Flaune;フローヌ_b0189215_14312954.jpg

La Flaune;フローヌ_b0189215_14354549.jpg←こちらが「リコッタ ディ ペコラ」

以前コルシカのBrocciu;ブロッチュでFiadone; フィアドーヌを作った時には多少羊臭さがあったのですが、
このリコッタでは全く臭さは感じられず、出来上がりもルキュイットを使ったものにそっくり♪
今度この地方へ行く機会があったら、また是非食べたいお菓子です。



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Commented by M at 2013-03-24 17:02 x
フローヌ、ホエーから作られるチーズを使ったタルト。
オレンジ花水で香りづけしてるんですね。
名前はフランの変形になったものなんですね。
roiboitさんのフローヌが食べたいと思いましたよ!美味しそう。
いつかコルシカのブロッチュ食べたいと思ってたんです。
roiboitさんは食べた事あるんですね。いいなぁ〜。
Commented by Ethno-PATISSERIE at 2013-03-25 11:28
Mさん ブロッチュは季節になると日本でも購入できますが、フレッシュチーズはやっぱり出来たてが一番!コルシカ島へはまだ行ったことが無いのでいつか行きたいです♪
Commented by M at 2013-03-25 15:54 x
そうそう、コルシカの栗粉を使ったお菓子が食べたいなぁ〜と
思ってました!フランスで栗粉のお菓子を余り見た事がないので。
イタリアでは、かなり栗粉を使ったお菓子ありますよね。
Commented by Ethno-PATISSERIE at 2013-03-25 19:13
Mさん 栗粉のお菓子もいいですね。コルシカには柑橘類も色々あって楽しそうです。
by Ethno-PATISSERIE | 2011-05-08 14:54 | ⑯Midi-Pyrenees | Trackback | Comments(4)

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