Les Sablés de Nançay ; サブレ ドゥ ナンセー
2011年 07月 18日
1953年、父Albert Fleurier;アルベール・フリュリエの経営するBoulangerie-Pâtisserieで
アプランティ(見習い)をしていたJacques;ジャックはある日
お菓子を作っている時に決められた方法で作らなかった為、生地作りに失敗してしまいます。
この時代、失敗したからと言って簡単に捨ててしまう訳には行きません。
母親はしっかり生地を冷蔵庫にしまっておきました。
翌朝サブレにして、パンを買いに来たお客さんに試食を勧めると
「昔おばあさんが作ってくれたサブレに似ていて美味しい!」と評判になり、本格的に販売することとなりました。
この菓子が誕生したのと同じ年、この町に世界有数の大きさを誇る電波天文観測所の建設が始まり
多くの見物客が訪れるようになりました。
そしてその見物客がこのサブレを買って帰るようになり、その評判が広がっていったというわけです。
(何を作ろうとしてどう失敗したのかが気になるところですが…。作ろうとしたのは、恐らくタルト生地でしょう^^)
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私がこの町を訪れたのは2004年のことでした。
定休日に見学させていただいたのでお店は閉まっていてお客さんは居ません。
出迎えて下さったのはClaude Brulé; クロード・ブリュレ氏。
(1974年にJacques Fleurier氏は「Les Sablés de Nançay」という会社を作りますが
Brulé氏は1990年ここへ入社。
2000年に一部を買い取りました。2005年にClaudeは全てを買い取って、彼の兄弟Thierry、息子Benoîtの
3人で有限会社を作っています。)
裏にあるラボを見学させて頂きます。
生地のルセットや作り方は秘密なので、生地を作る部屋は見学禁止とのこと。
生地を製造する部屋の奥に、生地の成形、焼成する部屋があり、袋詰めする部屋がまた別にありました。
生地を作る部屋には男性の職人さんが、それ以外は女性が働いています。
↑ プレートを棚に入れ、そのままオーブンに入れて焼く。
地元スーパーやパリのショコラトリーでも見かけるようなサブレなのに、殆ど手作業で作られていることにビックリ!
その後2008年にはパン屋とは別の場所に、今までの倍の広さを持つ作業場を作っています。
(パン屋は売却されましたが、今でもサブレは販売されています)
ここはアトリエと呼び、以前の器具を移動してきただけで作業も以前と全く変わっていないのだそうです。
(上の写真とあまり変わらない感じかな?)
ここの販売所で販売されるのは生産量の20%。その他はスーパーやお菓子屋さん等で販売されており
地元以外や外国への販路ももっと広げる予定だとか。
いつか日本で買える時が来るかも?
お砂糖をまぶして、焼くクッキー、ディアマンみたいな感じですか?とにかく、バターが美味しいので、フランスのクッキーは素朴なのが絶品に感じますね~
手作業なのがいいな。
ディアマンそっくりですが、もう少し素朴なお味でした。パリでも見かけるはずですから一度お試しあれ^^