L’Ascension(キリスト昇天祭)のお菓子 「Corniottes ;コルニオット」
2012年 05月 15日
復活したキリストが40日間弟子たちのもとに現れた後、天に挙げられたことを祝うもので、
Pâques ;パック(復活祭)の40日後(復活祭の当日を含める)の木曜日にあたり
2012年は5月17日がその日です。
*フランス等では祝日なので旅行時には注意が必要!
パック(復活祭)の時とは異なり、Ascension(キリスト昇天祭)の日に食べるお菓子というのはあまりなく
思い浮かぶのは「Corniottes ;コルニオット」(↓ コレ)くらいでしょうか。
これはブルゴーニュ地方のLouhans ;ルーアン(Saône-et-Loire県)を中心とした周辺地域で作られるお菓子。
一般的には「丸く抜いたPâte brisée(ブリゼ生地)の真ん中にシュー生地を丸く絞り、縁を三か所折って
成形しオーブンで焼いた」ものですが、フロマージュブランとグリュイエールチーズで作る塩味バージョンもあります。
* かつてはシュー生地の代わりにフルーツを入れて焼き、クレームシャンティーを添えたもの等のバリエーションや大きいサイズのもの等々も作られていた。
三角形の形が「三位一体」を象徴しているということで復活祭、キリスト昇天祭、聖霊降臨祭等の
キリスト教の祝祭日に食べられるお菓子とされています。
Les Corniottes de L’Ascension (キリスト昇天祭のコルニオット)という名前もあるように
特にキリスト昇天祭の際に多く食べられます。
第一次世界大戦前まで、この日はFête des corniottes(コルニオット祭)が行われて
パン屋さんでも家庭でも沢山のコルニオットが作られ、食べられていました。
*今では一年中作らるお菓子だが、この日は普段よりも沢山販売される。
言い伝えでは
「この町にあるHôtel-Dieu ;オテル・デューで病人を看護していたordre de Sainte-Marthe(聖マルタ会)の修道女たちが病院運営のための資金を得るためにこれを考案し、Ascension ;アサンシヨンのミサの後
教会の出口で販売していた」
のだそうな・・・。
*オスピス・ド・ボーヌのような、周りを囲った寝台の置かれた男女別になった2つの大きな病室と礼拝堂、15-16世紀のイスパノ・モレスク陶器の素晴らしいコレクションを展示する薬剤室からなり、必見に値する。
名前は看護をする修道女が被るCornette ;コルネットと呼ばれる被り物に由来すると言う説もありますが
現代に見られるコルニオットの形はどちらかと言うとTricorne ;トリコルヌと呼ばれる、18世紀頃まで被られていた三角帽の方が似ているような…。
残念ながら、実際のところは不明です。
*三角帽の画像を探していたらココ☆に色々あるのを発見♪この時代に流行っていた。
ルーアンにあった農業・園芸協会の月刊誌「La Bresse Louhanaise」1896年1月版では
中世から1789年(フランス革命の年)までの宗教上の祝祭に関するこの地域の慣習について書かれており
その中には
「il y avait les corniottes de l'Ascension,corniottes au fromage ou à la bouillie,aux bords relevés formant trois cornes,d'où le nom du gâteau,qui se mangeait ce jour-là par milliers dans des goûters champêtres ・・・
キリスト昇天祭のコルニオット(チーズ或いはブイイ;粥をガルニにしたもの)があった。
菓子の名前は、縁を折って形作られた三角の形に由来する。この日、ピクニックで沢山食べられていた」
と言う記述があります。
ここから名前はやはり形に由来していて、非常に古くからこの日に食べられていたことが分かりますね。
Bresse Bourguignon ;ブレス・ブールギニヨンと呼ばれる地域の中心地であるLouhans ;ルーアンは
小さな町ながらも13世紀にはその地理的条件の良さから、シャンパーニュ地方とジュラ地方の産物が集まる
商業的役割を果たしていました。
* カタカナにするとジャンヌ・ダルクが火刑にされたノルマンディー地方の町Rouen ;ルーアンと同じになりますが全く別の町。
町の中心にあるGrande Rue (大通り)の両脇にはアーチが157もあるアーケードが連なり
その長さは400m以上あってフランス一の長さを誇り
そのうち一番古い建物は15世紀に遡り、その歴史を感じさせます。
← アーケード外側と内側
現在でも毎週月曜日にはその歴史と規模の大きさで非常に有名なマルシェが行われ
地元産のVolaille de Bresse(ブレスの鶏)も勿論見られます。
このマルシェに関する足跡は1269年に遡り、最初のアーケード建設はこの頃には既に始まっていました。
さてこの町を訪れたのはだいぶ前、2003年5月のこと・・・。
旅の途中でストライキが始まってしまい、取材を申し込んでいたお店へ行く為にディジョンからタクシーでかかった費用は凡そ100ユーロ(涙) !!!
約束していたPâtisserie aux FiançaillesのBouvier氏は「来れないかも?」と思いながらも
地元新聞社の記者さんと共に到着を待っていてくだったのでした。
ここではコルニオットと共に これまたこの辺りのスペシャリテである 焼き立ての「le Cion ; ル シオン」と呼ばれるチーズタルトを試食させて頂きました。
* le Cion ; ル シオンについてはまたこんど。こちら☆に写真だけup ♪
次回はキリスト昇天祭の頃に、出来ればゆっくりと滞在したいものです^^。
確かにアサンシヨンのお菓子って聞いた事ないです。
ル−アンの街もいいですねぇ。アーケードやパッサージュが好きなので、行きたいです。
ブルゴーニュは美味しいお菓子が沢山あって楽しいですね。
見てたらまた、食べたくなりました!
私はブログも何もやってないのですが、roiboitさんに見て欲しい写真が色々ありまして、*mailはこちらへ*から送ってもかまいせんでしょうか?今晩にでも。
送って頂くのは構いませんが、貴重な写真を私なんぞにお見せくださっても大丈夫ですか^^?