La Rissole aux pruneaux ; リッソル・オ・プリュノー
2012年 09月 15日
前者はアントレやオードブルに、後者はデザートやおやつとして食べられています。
中世に遡ることが出来るほど古くからあり、かつてはフランス各地で様々なタイプのリッソルが作られ
現在ではサヴォア地方を中心にいくつかの地方、町で作られ、スペシャリテとなっています。
Midi-Pyrénées ;ミディ・ピレネー地方、Aveyron ;アヴェロン県のスペシャリテと言われて思い浮かぶお菓子の1つが「Rissole aux pruneaux ;リッソル・オ・プリュノー」。
甘いプリュノー入りがスタンダードで、県内(特に北西部)のブーランジュリー・パティスリーで見られる
かなりポピュラーなお菓子です。
「L’inventaire du patrimoine culinaire de la France Midi-Pyrénées(1996)」によると、
アヴェロン県でリッソルが作られるようになったのはそれほど古くなく、20世紀以前に遡ることは出来ないだろうと書かれています。
それが徐々に知られるようになり、1950年代にはその名声が隣接するラングドック・ルシヨン地方のモンペリエまで達していたのだとか。
(周辺の地方ではもっと以前から作られていることが分かっています。アヴェロン県でも文献の中で見つかっていないだけで、作られていたかもしれませんね^^)
このRissole aux pruneauxのガルニは、紅茶で戻したプリュノーの種を外し、砂糖と一緒に粗くつぶしたもの。
Pâte brisée(ブリゼ生地)を薄く伸ばして円形に型抜きし、ガルニを乗せて半円に折り、ドレをしてオーブンで焼きます。
シンプルなお菓子なだけに、お店によって形や色、味も微妙に違って面白い!
* パイ生地の使用は稀で、油で揚げたものはあまり見かけない。
↑ Espalion,Boulangerie-Pâtisserie Majorelのリッソル&断面
実はこの地方のスペシャリテであるリッソルには他に塩味バージョンの「Rissole à la viande ;リッソル・ア・ラ・ヴィアンド」もあるのだとか…。
でもこの地方を旅した際(初夏と秋)には見つけることが出来ませんでした。
なぜか?というと、元々これがCarnaval(カーニヴァル、謝肉祭)の時期に食べるものだったから^^
かつてはその後に続く四旬節には節制期間で避けるべき肉の代わりにプリュノーを入れたリッソルを作って食べられていました。
そのことから、肉入りを「Rissole gras ;リッソル・グラ(脂っこい=肉入り リッソル)」、
プリュノー入りを「Rissole maigre(脂肪のない=肉の入っていない リッソル)」という
さて、その塩味リッソルとはどんなものか?と言うと、小さく刻み、火を通したブタ肉を詰めたものでした。
Rieupeyroux ;リュペイルーと言う町では、かつてLundi Gras ;ランディ・グラの日に「Fête de la rissole(リッソル祭)」が行われ、現在でもこの時期にこの塩味リッソルとプリュノー入りの2種類が沢山販売されます。
* 「Lundi Gras ;ランディ・グラ」はカーニヴァル期間の最終日である「Mardi gras ;マルディ・グラ」前日、月曜のこと。マルディ・グラ翌日の「 Mercredi des Cendres(灰の水曜日)」からキリスト教徒の節制期間である「Carême ;カレーム(四旬節)」が始まる。四旬節は灰の水曜日から復活祭の前日までの40日間(日曜日を除く)
そしてかつてここではこの日「男性はミモザの花、娘はリッソル」を好きな人に渡すという習慣があり、
好きな人と交換することが出来れば両思いであると、愛を確認できる日でもあったとか。
現在ではプリュノー入りのリッソルだけが一年を通して作られていて、もう片方は一般的に限られた期間
プリュノーは、大好きですし。形がショソンに似てますね。
リッソル・グラお肉入りも食べたいですね。こちらは限られた期間しか食べられないとなると余計に気になりますねぇ。